【これからの見通し】日銀会合後に円安進行、植田総裁会見で食い止められるのか、米PCEデフレータでまた加速か
【これからの見通し】日銀会合後に円安進行、植田総裁会見で食い止められるのか、米PCEデフレータでまた加速か
円安が止まらない。日銀決定会合は予想通りの政策金利据え置きだった。声明は新味に欠けるものとなり、市場では再び円安が進行している。展望レポートでの物価見通しは、今後3年間は2%程度で推移と上方修正されたが、事前報道もあってサプライズ反応はみられなかった。
日本時間午後3時30分から植田日銀総裁会見が始まるが、今後の利上げ見通しなどが強調されて円安進行を食い止める姿勢が示されるのかがポイントとなりそうだ。ただ、マーケットでは日米金利差相場が根強く、円高局面の持続性は難しそうだ。
この後の海外市場では、米PCEデフレータ、米個人所得・支出が注目材料となる。昨日の第1四半期米GDP速報値でのGDPデフレータの強さに市場に警戒感が広がった経緯がある。きょうのPCEデフレータでは前年比予想が+2.6%と、前回の+2.5%から小幅に上昇する見込み。コア前年比は+2.7%と前回の+2.8%から小幅に鈍化する見込み。総じて、根強いインフレが継続する印象がある。予想からの乖離が少なければ、米債利回り上昇とともにドル高圧力が持続することが想定されそうだ。
一連のイベントを通過して週末をどのように迎えるのか。現時点では円安進行の線が濃厚だが、薄いNY午後に政府日銀の介入などが入れば、相場が大荒れとなる可能性も否定的ないだろう。円安の進行度合いでは注意が必要に。
この後の欧州・ロンドン市場では目立った経済統計発表は予定されていない。フランス消費者信頼感指数(4月)、ECB消費者インフレ期待(3月)、ユーロ圏マネーサプライM3(3月)などが発表される程度だ。NY時間には上記の米指標のほかには、米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)(4月)が発表される。
発言イベント関連では、植田日銀総裁会見のあとに、ジョルダン・スイス中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁などの講演が予定されている。米企業決算発表は、アッヴィ、エクソンモービル、シェブロンなどが注目される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
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執筆者 : MINKABU PRESS
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