「ドル/円、予想変動率がコロナ以前に低下」 外為トゥデイ 2020年5月19日号
目次
▼18日(月)の為替相場
(1):英ホールデン委員 マイナス金利発言
(2):日本GDP 2期連続マイナス
(3):米製薬のコロナワクチン臨床試験で好結果
(4):独仏首脳、5000億ユーロ復興基金で合意
(5):パウエル議長 金利維持を表明予定
18日(月)の為替相場
期間:18日(月)午前7時00分~19日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英ホールデン委員 マイナス金利発言
英中銀(BOE)の金融政策員会(MPC)メンバーであるホールデン委員(チーフエコノミスト)が「マイナス金利の検討が必要になる」と発言した事が、前週末に報じられた。これを受けてポンドは売り先行で取引が始まった。
(2):日本GDP 2期連続マイナス
日本1-3月期国内総生産(GDP)・一時速報は前期比年率-3.4%と、10-12月期(-7.3%)に続いて2期連続のマイナスを記録。ただ、予想(-4.5%)ほどには落ち込まなかった。
(3):米製薬のコロナワクチン臨床試験で好結果
米バイオテクノロジー・モデルナ社は、開発中の新型コロナウイルスワクチン候補が初の臨床試験(第1相)で有力な初期兆候を示したと発表。近く第2相試験を開始する見通しで、最終段階の第3相試験は7月に開始するとの事。この報道を受けて欧州株の上伸とともにドル/円やクロス円が上昇した。
(4):独仏首脳、5000億ユーロ復興基金で合意
独仏首脳は5000億ユーロ規模の復興基金設立を支持する事で合意。資金は共同で調達し、新型コロナで打撃を受けた欧州連合(EU)加盟国に配分。返済はEU予算への寄与に基づいて行われる計画を提案した。今後、加盟27カ国の支持を取り付けられるかが焦点となるが、メルケル独首相は会見で「ドイツとフランスが指導力を発揮すれば、EU内の意見集約を進める事ができる」と述べた。これを受けてユーロは上昇した。
(5):パウエル議長 金利維持を表明予定
翌日に行われる上院銀行委員会での公聴会に先立ち、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の証言テキストが公表された。「経済が最近の困難な出来事を乗り越え、最大限の雇用と物価安定という目標を達成する軌道にあると確信するまで、当局は金利をこの水準に維持する見通し」だと表明する予定。
18日(月)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
ドル/円、予想変動率がコロナ以前に低下
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%の小幅高。新型コロナウイルスワクチンへの期待が高まり、米株高とともに107.50円前後まで上昇する場面もあったが、リスク・オンのドル売りに上値を抑えられて伸び悩んだ。ドル/円は、リスク・オフでも下値が堅い一方、リスク・オンでも上値は重く、小幅な値動きが続いている。そうした中、オプション市場の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は1週間物がコロナ禍以前の水準である5%台に低下。「ドル/円は当面は動かない」との見方が市場に広がりつつある。本日は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が米上院で議会証言を行う予定で関心を集めている。ただ、証言原稿がすでに公開されているためサプライズの余地は大きくなさそうだ。
本日から明朝の注目イベント
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