【これからの見通し】米雇用統計に注目集まる、その後の週末報道にも警戒感
【これからの見通し】米雇用統計に注目集まる、その後の週末報道にも警戒感
昨日は原油相場が急騰したことが、市場のリスク警戒感を緩和させた。中国の石油国家備蓄購入の報道に続いて、トランプ米大統領がサウジ皇太子と電話会談を行い、サウジとロシアの減産を促したことが背景。前日には米シェールガス大手のチャプター11適用申請が報じられており、トランプ大統領が急遽対応することとなったようだ。昨日のNY株式市場は石油株主導で上昇。ダウ平均は469ドル高で引けた。
今日の東京市場では米雇用統計待ちのムードが広がった。日経平均は米株高を受けた上昇から、午後には下げに転じたものの、大引けにかけたはなんとかプラス圏を維持。1.47円高で取引を終了した。ドル円は108円を挟んで、上下20銭程度の値動きにとどまっている。ユーロドルは前日からの売り圧力が残り、1.08台半ばから前半へと上値重く推移している。
この後の海外市場では3月の米雇用統計が注目されている。事前予想は非農業部門雇用者数は10万人程度の減少、失業率は3.8%への上昇が見込まれている。ここ2週間に米新規失業保険申請件数が未曾有の高水準となっており、新型コロナウイルス感染を受けた米経済の停滞が示されている。今回の米雇用統計にも雇用情勢悪化の最初の動きが示されそうだ。ただ、雇用者数については特に予想が難しくなっており、どのような数字がでるのかは未知数だ。予想ほどは落ち込まなくても、直近のADP雇用統計のように理由付けが示される可能性もあろう。
週末の新型コロナウイルス感染の拡大報道が警戒されるなかで、前日の原油急騰のような材料がでてこなければ、なかなか相場の悲観ムードは払しょくできないものとみられる。
その他の経済指標は、トルコ消費者物価指数(3月)、ドイツ非製造業PMI・確報値(3月)、ユーロ圏非製造業PMI・確報値(3月)、英非製造業PMI・確報値(3月)、ユーロ圏小売売上高(2月)、米ISM非製造業景気指数(3月)などが発表される予定。
イベント関連では、金融当局者らの講演予定はない。タス通信が来週にもOPECプラス会合の準備の可能性と報じている。石油関連の報道には引き続き関心が集まりそうだ。また、週末の日曜日からは、豪州とニュージーランドが冬時間入りとなる。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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