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[資源・新興国通貨12/16~20の展望] メキシコペソ:USMCAは発効に向けて前進

達人の予想 

豪ドル

13日、「米中は、一部の関税の引き下げと15日の追加関税の発動を延期することで合意した」と伝わりました。いずれも関係筋の話であり、本稿執筆時点ではこれらの報道の真偽は不明ですが、報道が事実ならば、リスク回避の動きが後退しそうです。その場合、投資家のリスク意識の変化を反映しやすい豪ドルにとってプラス材料です。

一方で、豪州の11月雇用統計が19日に発表されます。RBA(豪中銀)はインフレ率が目標レンジ内に向けて上昇するためには、失業率が4.5%へと低下する必要があるとの見方を示しています。雇用情勢、とりわけ失業率の動向はRBAの金融政策における重要な判断材料となるため、雇用統計の結果に豪ドルが反応しそうです。失業率が10月の5.3%から上昇(悪化)した場合、市場ではRBAの利下げ観測が強まり、豪ドルは弱含みそうです。

NZドル

豪ドルと同様に、米国が15日の対中追加関税の延期を決定すれば、NZドルにとってもプラス材料となりそうです。

また、市場ではRBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が後退しており、そのこともNZドルの支援材料となりそうです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)が織り込む、RBNZの利下げの確率は2020年2月の次回会合で約8%。利下げの確率はその後上昇するものの、それでも2020年11月までで約3割です。19日に発表されるNZの7-9月期GDPが堅調な結果になれば、利下げ観測は一段と後退し、NZドルは底堅さを増すとみられます。

カナダドル

6日に発表されたカナダの11月雇用統計は、失業率が5.9%、就業者数が前月比7.12万人減と、いずれも市場予想(5.5%、1.00万人増)よりも弱い結果でした。

一方、ポロズBOC(カナダ中銀)総裁は12日、雇用統計の結果について「労働市場の統計は、月ごとの変動が大きい」としたうえで、「トレンドに目を向ければ、労働市場はかなり明るいものとなっている」との見方を示しました。

雇用統計の弱い結果を受けて、市場ではBOCの利下げ観測が高まりましたが、ポロズ総裁が11月の雇用統計の結果を重視しない姿勢を示したことで、利下げ観測は後退するとみられます。また、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)が発効に向けて前進したこともカナダドルの支援材料となりそうです。カナダドルは当面、堅調に推移する可能性があります。

トルコリラ

TCMB(トルコ中銀)は12日の会合で2.00%の利下げを決定。政策金利を14.00%から12.00%へと引き下げました。利下げは4会合連続です。

声明では、7月に開始した利下げが終わりに近づいていることが示唆されました。声明は、「最近のデータは、経済活動の回復が続いていることを示している」との見方を示し、「2020年のディスインフレ(インフレ率の鈍化)のリスクは均衡している」と指摘。「現在の金融政策スタンスは、予想されるディスインフレの軌道と整合性がとれている」とし、これまでの「予想されるディスインフレの軌道とおおむね整合性がとれている」から“おおむね”の文言を削除しました。

TCMBの利下げ局面が終わりに近づいていることが示唆されたことは、トルコリラをある程度下支えするかもしれません。

一方で、TCMBは今後、難しい政策運営を迫られそうです。トルコのCPI(消費者物価指数)上昇率は、2018年10月に前年比25%を超えましたが、2019年11月には10.56%まで鈍化しました。ただ、それは比較対象である前年の水準が高かったこと(ベース効果)によるものが大きく、ベース効果が薄れるにつれてCPI上昇率は再び加速するかもしれません。その場合、TCMBは“CPI上昇率の加速”と“エルドアン大統領の利下げ圧力との板挟みになる可能性があります。

トルコリラは引き続き、S400(ロシア製地対空ミサイルシステム)導入問題に要注意です。トルコに対して「S400を破棄しなければ、制裁を科す可能性がある」と米国が警告するなか、「ロシアとトルコは、S400の追加契約に関する作業を進めている」との報道もあります。

南アフリカランド

エスコム(南アフリカの国営電力会社)は5日から計画停電を開始。12日まで8日間連続で停電が実施されました。南アフリカ景気が低迷するなか、国内電力の9割以上を供給するエスコムの計画停電によって景気は一段と下押すとみられます。同国景気の先行き懸念を背景に、南アフリカランドは軟調に推移する可能性があります。

一方で、米国が15日の対中追加関税を見送れば、新興国通貨であるランドを下支えする可能性はあります。

メキシコペソ

米国、メキシコ、カナダの3カ国は10日、NAFTA(北米自由貿易協定)に代わる新たな協定USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の修正案に改めて署名。同日には、トランプ米政権と下院民主党(野党)も修正案で合意しました。

USMCAは2018年11月に署名されましたが、発効には3カ国すべての議会承認が必要です。メキシコ議会は2019年6月に承認したものの、民主党が内容の修正を要求したことで米議会の承認は見通せない状況でした。USMCA修正案は今後、米議会で採決されますが、上下両院とも可決されるとみられます。下院は来週(12/16の週)にも修正案の採決を行う方針。上院は年明けになる可能性もあります。

USMCA発効のメドがたたないことが、メキシコの景気低迷の一因となり、メキシコペソの重石にもなってきました。トランプ政権と民主党が修正案で合意し、USMCAが発効に向けて前進したことで、ペソの重石は軽くなるかもしれません。

19日のBOM(メキシコ中銀)会合では、0.25%の利下げが決定されそうです。その通りの結果になれば、メキシコペソに大きな反応はみられないかもしれません。

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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