【これからの見通し】週末のジャクソンホール演説ひかえて、米金融当局者発言に視線
【これからの見通し】週末のジャクソンホール演説ひかえて、米金融当局者発言に視線
今週の焦点は、週末のジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の演説となっている。それに先立って、各FOMCメンバーらの発言に市場は神経を尖らせているようだ。昨日はタカ派で知られるローゼングレン・ボストン連銀総裁が「見通しが想定通りなら追加緩和の必要はない。金融政策は既に緩和的。追加緩和を正当化する証拠が欲しい。」などと発言した。
CMEフェドウォッチによると、米短期金融市場では9月FOMCでの0.25%利下げを92.7%織り込んでいる。一方、0.50%利下げの織り込み度は7.3%と低水準が継続している。最新の米経済指標は小売売上高に示されるように比較的強めの結果がでており、さらに米株式市場でも連日の上昇となっている。米中貿易戦争についても、米商務長官がファーウェイに対する米企業の禁輸措置の猶予期間をさらに90日間延長すると発表していた。一方、トランプ米大統領からは1%利下げが必要との圧力をかけられている。総合的には、0.25%幅の保険的、予防的利下げで十分な状況と考えられているようだ。
この後の海外市場では、NY終盤にデイリー・サンフランシスコ連銀総裁とクオールズFRB副議長の講演が予定されている。前日のローゼングレン総裁ほどはタカ派色が強くないことから、足元でどの程度の利下げが必要とみているのか、ヒントがほしいところだ。
ロンドン・欧州市場では、主要な経済指標発表や金融当局者の講演は予定されていない。ただ、イタリアではコンテ首相の演説の予定があり、一部には内閣信任投票について言及されるとの観測もでている。イタリア債動向をにらんだユーロ相場の展開が想定されそうだ。また、ECBにおいてもFOMCと同様、もしくはそれ以上の緩和圧力があり、ユーロ売り圧力がかかりやすくなっている。
NY市場では、序盤にカナダ製造業売上高(6月)が発表される程度で、目立った経済指標発表は予定されていない。米株式市場とってはホームデポの決算発表が予定されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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