ドル円は147.70円近辺での推移=NY為替
NY時間の終盤に入って、ドル円は147.70円近辺での推移となっている。きょうの為替市場はドル高が一服しており、ドル円も147円台に伸び悩んでいる。先週の中央銀行ウィークを通過し、それなりにニュースがあったものの、結局ドル円は100日線と200日線の間での推移に変化はない。
そのため、オプション市場では1か月物の円のヘッジコストが1年ぶり低水準に低下しており、落ち着きを示している。先週のFOMC前には一時的にレンジ下限の100日線を割り込んだが、パウエル議長が明確にハト派的な姿勢を見せなかったため、ドルの反発とともにドル円も買い戻された。
一方、日銀は「ETF保有の縮小開始」と「年内追加利上げの可能性」を示唆したことで円に一時的な追い風を与えたが、その効果はすぐに失われている。短期金融市場では年内の日銀の利上げ確率を75%程度まで上昇させているものの、どうも強い確信までは無さそうだ。
ただ、オプション市場での落ち着きは決して平穏を意味しているのではないとの指摘も出ている。チャート、金利差への感応度、オプションはいずれも「転換点」にいることが示唆されており、円は重要な心理的水準を巡り、大幅上昇か急落かの瀬戸際に立たされているという。
今週はイベントも少なく手掛かり材料に乏しい週となりそうだが、金曜日には8月のPCE価格指数が公表される。パウエル議長は先週のFOMC後の会見で2%台後半の予想に言及していたが、市場でもその水準が見込まれている状況。インフレよりも労働市場に市場の注目がやや傾斜している中、よほどのサプライズでない限り反応は限定的になる可能性も留意される。
USD/JPY 147.73 EUR/JPY 174.28
GBP/JPY 199.67 AUD/JPY 97.48
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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