ドル円は107円台後半での振幅 次の展開を模索する局面に=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は107円台後半での振幅が続いた。週明けの市場は静かな動きとなっており、ドル円に関してはアジア時間に108円台に上昇していたものの、ロンドン時間からNY時間にかけて戻り売りに押される展開。
先週はパウエルFRB議長の議会証言を受けてドル売りが強まった。一時109円台を試す展開も見せていたドル円は107円台に失速している。ただ、先週は強い正の相関関係を持っている米国債利回りが上昇したことから、ドル円も下値を支えられていた。米株が堅調に最高値を更新していることもドル円の下値をサポートしていた模様。
今月のFOMCでの利下げ期待を市場はある程度織り込み、ドル円も次の展開を模索する局面に入っているようだ。今週は指標では米小売売上高や鉱工業生産などが発表され、米企業決算も始まっている。それらに対する市場の反応を待ちたい雰囲気も出ている模様。
なお、朝方発表になった7月のNY連銀景気指数は前回から回復し、予想も上回った。ただ、主要指数は回復の兆候を見せていたものの、詳細は業界が引き続き厳しい状況にあることを示唆している。新規受注はマイナス幅が縮小した一方、同州の工場は受注について7月は好調というより低調だと指摘している。
ユーロドルは21日線が1.1255ドル近辺に来ており、その付近での推移。ロンドン時間に1.1285ドル付近まで上昇していたが、NY時間にかけて伸び悩む展開。先週はドルを中心にユーロドルは上下動していたが、来週のECB理事会を巡っての動きもそろそろ出そうだ。
市場のコンセンサスでは今回は政策変更はなく、ガイダンスで利下げなど追加緩和の可能性を示唆してくるものと見られている。年内の利下げは9月と12月に0.1%づつ2回が見込まれているようだ。ただ、新たな国債や社債など債券購入に関してはハードルが高いとも見られているが、以前ほどではないとの見方も聞かれる。ただ、FRBの利下げも想定され、利下げ幅はFRBのほうが大きいと見られる中で、それがユーロ売りに繋がるかどうかは見解が分かれている。
ポンドが下落しており、ポンド円は135円を割り込み、年初のフラッシュ・クラッシュ以来の安値を更新している。特にポンド売りの材料は見当たらないが、事実上の次期首相を決める英保守党党首選が繰り広げられる中で、市場は合意無き離脱へのリスクを根強く感じているようだ。
また、ポンドに対する夏相場への警戒感も指摘されている。過去5年間の8月のポンド相場は対ドル、対ユーロとも月足で陰線となっている。10月末のEU離脱への不透明感を考慮すると、今年も8月は陰線のリスクも警戒されているのかもしれない。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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