今週のまとめ7月1日から7月5日の週

為替 

 1日からの週は、方向性が錯綜した。G20サミットを通過して米中貿易戦争が一時休戦となったことが、週明けには好感された。米株式市場では週央に主要3指数が最高値を更新したが、為替市場でのリスク選好的な円売りは続かなかった。根強い米利下げ観測で米債利回りが低下した。10債利回りは2%を下回った。ドル円は108円台半ばで上げ止まると107円台半ばへと反落。その後は再び108円近辺へと振幅した。欧州通貨を中心に売り圧力がみられ、ユーロ円やポンド円などクロス円は下押しされている。一連の英欧PMIなど指標データの弱さが景気先行きへの警戒感を広げた。EU首脳会議では次期ECB総裁にラガルドIMF専務理事を指名した。ドラギ総裁からの緩和路線の継承が期待されている。英国ではカーニー英中銀総裁が合意なき離脱に関連してハト派姿勢を示した。経済データの弱さとともにポンド相場を圧迫した。欧州通貨に対しては、ドル高と円高が優勢だった。一方、豪ドルは米株高などリスク選好で買いが優勢となったが、原油が上昇一服となり値動きは限定的だった。週末の米雇用統計は予想を上回る雇用増となり、ドル買いに傾斜、米10年債利回りは2%をはるかに上回る2.04%近辺に上昇。7月FOMCでの0.5%利下げの見方は、ほとんど無くなった。ドル円は再び108台半ばへと上昇。週末を前に若干の調整もドル高圏で週の取引を終えた。


(1日)
 東京市場では、ドル高・円安の動き。注目された週末の米中首脳会談で、貿易戦争の休戦で合意、通商交渉の再開、米国による第4弾追加関税の先送り、華為技術(ファーウェイ)への制裁緩和などが示され、リスク警戒の動きが後退した。米株先物は時間外取引で250ドル高となる場面があった。ドル円は朝方に108.51レベルまで買われた。その後は反落も108円台は維持。午後には日経平均が上げ幅を拡大し、108円台前半でしっかりとした値動きだった。ユーロドルは午後に入ってからドル高圧力で1.1320台まで軟化した。

 ロンドン市場は、円売りが一服。週末のG20で米中貿易戦争が一時休戦となったことを歓迎して欧州株は序盤に買われたが、その後はやや上げ幅を縮小しての揉み合いに。一方、米株先物は時間外取引で堅調な足取りを続けており、ダウ先物とS&P500先物が最高値を更新した。ただ、ドル円は108.50付近まで上昇したあとは、108円台前半での取引となっている。クロス円も東京早朝に高値を付けた後の反落の流れが継続している。ユーロ円は122円台後半、ポンド円は136円台後半へと下押し。この日発表された一連の欧州製造業PMIや英製造業PMIが予想を下回る結果となり、欧州通貨売り圧力となっている。EUサミットで次期指導者がなかなか決定されないことや、英国での合意なき離脱の可能性の高まりなども欧州通貨を買いにくくさせていた。

 NY市場は、ドル買いが優勢。ユーロドルは1.13台半ばが重く、NY時間には1.13台割れへと下落。レーン・フィンランド中銀総裁は、必要であればさらなる金融緩和が可能とした。ポンドドルは1.2635近辺まで一時下落した。ユーロドルとともに21日線を下回っている。ロンドン市場で発表された英製造業PMIの悪化の影響が続いた。一方、ドル円は108円台前半での取引に終始している。何度か108.50超えを試したが、上値が抑えられている。一方で、108円割れも回避されており、一進一退だった。

(2日)
 東京市場では、豪ドルが振幅。東京午後に発表された豪中銀政策金利は大方の予想通り0.25%の利下げとなった。1.00%と、これまでの最低水準を更新した。発表直後は豪ドル売りに反応したが、その後は材料出尽くしなどで買われた。豪州株の上昇が豪ドル円の買いにつながった面も。豪ドル円は75円台前半から後半へと振幅。ドル円は108円台前半での揉み合い。朝方に、米通商代表部がEUのエアバスへの補助金への対抗として、追加関税を実施する40億ドル相当のEU製品リストの提供を発表したが、反応は限定的だった。

 ロンドン市場は、小動き。序盤にドル売り先行も、値動きは一時的にとどまった。欧州株は買い先行で取引を開始したが、その後は一時下げに転じる動き。米株先物は時間外取引で小幅安。ただ、いずれも値動きは限定的。欧州では次期トップ人事を決めるための会合がきょうも開催されている。ユーロ相場は前日の下げは一服し、トップ人事の行方を見守るムード。一方、ポンドは軟調。前日の製造業PMIに続いて、この日発表された英建設業PMIも大幅に低下した。合意なき離脱への不透明感がセンチメントの悪化を招いている。ポンドドル1.26台前半、ポンド円136円台半ばなどに下押しされた。ユーロドルは1.13ちょうど挟みの振幅、ユーロ円も122円台前半を中心とした上下動と小動き。ドル円は08円台前半での揉み合い。

 NY市場は、ドル円が107円台へと下落。108円台半ばが重くなるなかで、米10年債利回りが2%割れへと低下したことが短期筋の見切り売りにつながったもよう。米通商代表部がEUのエアバスへの補助金への対抗として、追加関税を実施する40億ドル相当のEU製品リストの提供を発表との報道が再認識された面も。ポンドはカーニー英中銀総裁発言を受けて下落。世界貿易の緊張が下振れリスクを高めた、第2四半期成長は弱いことが見込まれ、市場の利下げ予想も驚かず、と述べた。ポンドドルは一時1.26台を割り込んだ。ユーロドルは1.13を挟んで振幅。取引後半には1.12台に軟化した。この日のEU首脳会議で、次期ECB総裁にラガルドIMF専務理事が使命された。欧州委員長にはフォンデアライエン独国防相が指名された。
 
(3日)
 東京市場では、朝方にリスク警戒の動きがみられた。米債利回りが低下、10年債は1.95%を下回った。株安や金相場上昇の動きがみられた。ドル円は107.90台から107.53レベルまで一時下落した。アジア株が軒並みの大幅安、日経平均はファーストリテイリングなどの上昇に支えらえたが、それでも0.5%安。米欧の通商問題への懸念に加え、G20サミットを終え、リスク警戒に目が向いた。

 ロンドン市場は、円買いが一服。欧州株が堅調に推移、米株先物も時間外取引で上昇に転じた。英欧中銀の緩和姿勢への期待が広がっているもよう。昨日のEU首脳会議ではようやく次期ECB総裁としてラガルドIMF専務理事が指名された。金融当局者としての経験値はまだ未知だが、市場ではドラギ路線の継続が期待されているもよう。また、前日NY時間にはカーニー英中銀総裁が必要であれば緩和策を講じるとの発言があった。ロンドン序盤にはユーロドルやポンドドルが売り先行も、クロス円の下げ渋りとともに反発している。ただ、ポンドは反発力が弱め。リスク選好的な動きを受けて豪ドルが堅調に推移。ドル円は107円台後半での揉み合い。

 NY市場は、ドル売りが先行も値動きは限定的。この日発表の米経済指標が弱い内容だったことや、トランプ大統領の中国や欧州は為替操作しているとの言及などで一時ドル売りの動きが広がった。ただ、その後は値動きが一服している。ドル円は107円台後半での振幅も、取引後半には107.90近辺まで高値を伸ばした。ユーロドルは一時1.1310台まで買われたが、その後は1.12台後半に反落。ポンドドルは1.25台後半での振幅で、1.26台乗せには至らなかった。この日発表された米ADP雇用者数の伸びは10.2万人、ISM非製造業景気指数は55.1といずれも事前予想を下回った。ただ、直近の英欧指標にも力強さはなく、ドル売りは続かなかった。
 
(4日)
 東京市場は、小動き。米独立記念日でNY市場が休場となることもあり、主要通貨は様子見ムードが広がった。ドル円は107円台後半で13銭レンジ、ユーロドルは1.12台後半で17ポイントレンジだった。豪小売売上高は予想を下回ったが、プラス圏を維持した。豪ドルは一時売られたが、その後は買いが入った。豪ドル/ドルは0.70台前半で方向性に乏しい値動きだった。NY原油先物・時間外取引に調整売りが入るなどの動きも為替市場の反応は目立たず。

 ロンドン市場は、各主要通貨とも小動き。ドル円は107.80近辺に膠着している。ユーロドルは1.1277から1.1295が本日これまでのレンジ。ユーロ円は121.57から121.72レンジにとどまっている。欧州株は限定的な値動きのなかで高安まちまち。米債券市場は休場、米株先物はほとんど値動きがない状態。米独立記念日の祝日を控えて動意薄となっている。この日発表された5月ユーロ圏小売売上高や6月ドイツ建設業PMIはいずれも弱い結果となったが、ユーロ売り反応はほとんど見られなかった。 独10年債利回りが一時マイナス0.408%に低下し、ECB預金金利(-0.4%)を下回った。債券市場ではECBの利下げを催促する流れとなっているが、これにもユーロ相場は動かなかった。米独立記念日に関連したトランプ米大統領演説が予定されており、その内容が注目されている。
 
 NY市場は米独立記念日の祝日で休場。

(5日)
 東京市場は、小動き。ドル円は107.80-90レベルを中心とする揉み合いが続いた。昨日のニューヨーク市場が独立記念日で休場だったことから目立った動きはない。今晩に6月の米雇用統計の発表を控えていることも模様眺めにつながっている。英海兵隊がイランのタンカーを拿捕したほか、イランのウラン濃縮開始の期日が迫っているものの、米国とイランの対立激化を警戒した動きはみられない。ユーロ円は121円台後半、ポンド円は135円台後半、豪ドル円は75円台後半で推移し、前日の東京時間帯の水準とほぼ横ばい。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。東京市場での膠着状態からドル買い方向に動意づいた。米債利回りが上昇したことをきっかけに、ドル円は108円台乗せへと上昇。ユーロドルは1.12台後半での下押し。ポンドドルは1.25台後半から半ばへと下落した。ただ、値幅はいずれも20ポイント前後と限定的。米雇用統計発表を控えたポジション調整の範疇の動きにとどまった。欧州株やNY原油先物は小幅の下落。クロス円は小動きのなか、方向性定まらず。

 NY市場は、注目された6月の米雇用統計、非農業部門雇用者数が、予想を大きく上回る前月比+22.4万人を記録したことをうけて、いっきにドル買いが強まる展開となった。今月のFOMCで一気に0.5%金利を引き下げるのではというような過激な金融緩和期待が後退。7月の利下げ期待自体は織り込み済みで残ったが、9月のFOMCでの連続利下げの期待がやや後退したことなども、ドル買いを誘った。ドル円は108円台半ばまで上昇。ユーロドルは1.1260前後から1.1210割れまでとドル全面高。同時に発表されたカナダの雇用統計が弱かったこともあり、ドルカナダでのドル高カナダ売りがもっとも目立ったが、NY午後にカナダ売りに調整が入り、ドルカナダは往って来いに。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

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