ドル安、ドル円は一時142円台後半 先週からの流れが継続=ロンドン為替概況
ドル安、ドル円は一時142円台後半 先週からの流れが継続=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル売りが優勢。先週からのドル安の流れが継続している。ドル安の背景としては様々な材料が取り沙汰されており、きょうはこの材料という決定打は指摘しにくい。米債利回りが低下、米雇用統計発表を木曜日に控えて雇用市場の軟化が米利下げ圧力につながるとの思惑、トランプ政権の相互関税期限が7月9日に迫るなかで米国発の不透明感がドル安につながる面などがみられている。また、円高の面ではきょうの日銀短観が予想外に強かったことが日銀利上げ観測につながったことや、増氏が新たに日銀審議委員に加わり、タカ派姿勢を示すとの思惑もあったようだ。ユーロ買いの面では、ECBが当面の利下げ打ち止めを示唆していること、今日はデギンドスECB副総裁がユーロドルの1.20への上昇は許容範囲と述べたことが下支えとなる面があったようだ。米国と日欧などの金融政策スタンスの差がドル安につながる構図となっているもよう。ドル円は一時142円台に下落、ユーロドルは1.18台に上昇、ポンドドルも1.37台から1.38台をうかがう動きを見せている。クロス円ではドル円下落スピードが速く、円高の動きが目立っている。
ドル円は143円付近での取引。東京早朝の144.08近辺を高値にその後は売りが継続している。ロンドン時間には143円台割れから安値を142.82近辺まで広げている。その後の戻りは鈍く、引き続き上値重く推移している。米債利回り低下がドル売りに、東京朝方の日銀短観の強さや増日銀審議委員就任が円買いにつながる面も指摘される。
ユーロドルは1.18台前半での取引。ロンドン朝方の1.1768近辺を安値に買われている。一時1.1830近辺と今年の高値水準を更新した。ユーロ円はドル円とともに下落している。東京早朝の169.78近辺を高値に、ロンドン序盤にかけては安値を168.46近辺まで広げた。その後の反発は169円には届かず。対ポンドではユーロ売りが先行したが、足元では買い戻されており、方向性はハッキリとしない。ユーロ圏消費者物価速報は前年比+2.0%と前回の+1.9%から小幅に上昇、ECBインフレ目標水準に戻している。
ポンドドルは1.37台後半での取引。東京朝方の1.3718近辺を安値に、ロンドン時間には買いに動意付いている。高値を1.3789近辺まで伸ばしているが、1.38の大台乗せには至っていない。ポンド円は東京早朝の197.83近辺を高値に売られている。ロンドン序盤に196.76近辺まで安値を広げ、その後の戻りは鈍い。ユーロポンドは0.8557から0.8588までのレンジで振幅。足元では、ややユーロ安の動きとなっている。ベイリー英中銀総裁は、QTが利回り曲線の急勾配化を引き起こしているとは思わずと述べている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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