ドル円、149.60円近辺に買い戻される 今週のトランプ関税に向けて警戒感=NY為替序盤
きょうの為替市場、NY時間にかけてドル買いが優勢となっており、ドル円は149.60円近辺に買い戻されている。東京、ロンドン時間には一時148円台に下落する場面も見られた。
市場には先行き不透明感が広がっており、本日の日経平均が4%超急落するなど各国の株式市場に売りが広がっている。円相場はリスク回避の円高が強まり、ドル円も150円から一旦遠ざかった。ただ、日銀の早期利上げ観測が後退する中、下値での押し目買いも出るようだ。
日本の年度末に向けたポジション調整はすでに終了していると思われるが、市場は今週のトランプ大統領の関税計画に向けて警戒感を高めている。各国に相互関税が発動されるものと思われるが、その詳細が不明な中、明確化を待っている状況。トランプ政権が以前に発表した関税の多くも週内4月3日に発効される。その日はトランプ大統領が「解放の日」と呼んでいる日であり、その中には自動車に対する25%の課税も含まれる。
関税を巡る景気とインフレへの不透明感が重石となっており、米経済のスタグフレーションへの懸念も高まっている状況。トランプ大統領は不安を和らげるようなことはなく、一部では、大統領が最近、関税に関してより強硬な姿勢を取るようアドバイザーたちに迫っているとも報じられている。トランプ大統領はTVインタビューで、外国の自動車メーカーが新たな関税により値上げをしても「気にしていない」と述べていた。
今週も米経済指標が数多く発表されるが、特に週末の米雇用統計を市場は注目している。
なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。
31日(月)
150.00(12.8億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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