【来週の注目材料】米FOMCは無風通過の見込み
28日、29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。前回12月17日、18日のFOMCは市場予想通り0.25%の利下げとなりました。利下げは3会合連続です。同時に発表されたFOMC参加メンバーによる経済見通し(SEP)において、2025年中の利下げ見通しが9月SEPでの4回から2回に半減したことで、今後の利下げペース鈍化が意識されました。
その後発表された1月の米雇用統計の好結果などもあり、今回のFOMCでの利下げ見送りはほぼ確実視されています。注目は声明やパウエル議長の会見となります。
声明に関しては前回からの大きな変更点はないという見方が強いです。前回の声明で特徴的とされた表現は「FF金利の目標誘導レンジに対するさらなる調整の程度と時期を検討するにあたり(In considering the extent and timing of additional adjustments to the target range for the federal funds rate)」で、それまでの「FF金利の目標誘導レンジに対するさらなる調整を検討するにあたり(In considering additional adjustments to the target range for the federal funds rate)」からの変化は、利下げペースの鈍化を示すものとされました。今回も同様の表現が踏襲されるという見方が強いです。
パウエル議長は前回の会合後の会見で利下げについての姿勢を「(政策金利のさらなる調整の検討について)より慎重な姿勢で臨むことができる」、「不確実性が高いときにはペースを落とすことが常識的な対応である」などとして示しました。また、政策金利について、中立水準にかなり近づいているとしていました。今回も同様の表現を示すと見込まれています。
総じてサプライズ感の低いFOMCが見込まれるところです。前回のFOMCでのメンバーによる政策金利見通しは年内2回の利下げを示唆していました。市場は現時点で6月までに追加利下げ、12月までにあと一回あるかどうかで、年内は1回か2回で見通しが分かれるという状況になっています。この状況に大きな変化はないとみられます。ただ、表現の小さな変化などをきっかけにこの見通しが少しぶれるようだと、ドルも動きを見せるとみられます。
MINKABUPRESS 山岡
執筆者 : MINKABU PRESS
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