【これからの見通し】ドル高基調のなか、きょうは米消費者物価指数の発表
【これからの見通し】ドル高基調のなか、きょうは米消費者物価指数の発表
ドル相場の上昇の流れが続いている。10月は一連の強い米経済指標や米大統領選を見据えたトランプトレードの先取りの動きがみられた。11月5日の米大統領選の結果に市場の関心が集まるなかで、選挙直前の世論調査ではハリス氏とトランプ氏の支持率がほぼ横並びと報じられた。また、直近の米雇用統計は予想外に弱い結果だった。11月初頭はドル高調整の動きが入った。しかし、米雇用統計についてはハリケーンや大規模ストライキの影響との説明が広がり、米雇用市場は強いとの評価に落ち着いた。そして、米大統領選では開票の早い段階でトランプ氏の勝利が確定した。これが足元までトランプトレードによるドル高基調を生み出している。ドル指数は5月1日以来の高値水準をつけた。
しかし、足元では熱狂的な動きはやや一服。米株式市場では主要3指数がそろって最高値をつけたあとで、調整売りが入っている。このような状況の下で、きょうの米消費者物価指数発表を迎えることとなる。
今回発表される10月の米消費者物価指数の事前予想は、前年比+2.6%(前回+2.4%)、コア前年比+3.3%(前回+3.3%)、前月比+0.2%(前回+0.2%)、コア前月比+0.3%(前回+0.3%)となっている。ディスインフレの勢いは一服する予想だ。
パウエル米FRB議長は直近のFOMCで、インフレ率の短期的上昇を予想、1-2か月悪いデータがでても、ディスインフレのプロセスに変わりはない、と述べている。したがって、市場における12月会合での25bp利下げ観測は維持されるだろう。
その一方で、トランプトレードは市場がテーマとしやすいものでもある。きょうの米消費者物価指数が市場の予想を上回る場合には、再びドル買いが勢い付く可能性もあり、注意してみたいところだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、上記のほかにはフランス失業率(第3四半期)、米MBA住宅ローン申請指数(11/02 - 11/08)などが予定されている。市場の関心は米消費者物価指数一択の状況といえそうだ。
発言イベント関連では、マン英中銀委員、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ウィリアムズNY連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁、ムサレム・セントルイス連銀総裁、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁などの講演やイベント参加などが予定されている。ムサレム・セントルイス連銀総裁は米経済および金融政策についての講演となっており、市場の注目を集めそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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