ドル円140円台前半に下落、米大幅利下げ観測が押し下げ=ロンドン為替概況
ドル円140円台前半に下落、米大幅利下げ観測が押し下げ=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ドル円が一時140円台前半に下落。昨日のNY午後に有力FEDウォッチャーが9月の米利下げ幅について「25bpか、もしくは50bpかで決めかねている」と発信したことが背景。市場ではほぼ25bp利下げでコンセンサスが形成されつつあったが、この報道を受けて再び50bp観測が高まっている。現時点では3割れ程度の確度で50bpが織り込まれている状況。来週は週末に日銀決定会合も控えており、ドル円は短期的な変動期待が高まっている。日米金利差縮小観測によりドル円は下げ圧力を受けやすくなっている。きょうは141円台割れから140.37近辺まで安値を広げており、年初来安値を再び更新。ユーロドルは1.11ちょうど付近、ポンドドルは1.31台半ばへと上昇する場面があったが、ドル円と比較すると値幅は限定的。クロス円が全面安となっており、円買い主導の展開になっている。ユーロ円は一時156円割れ、ポンド円は184円台前半まで下押しされている。米大幅利下げ観測の再燃を受けて、欧州株や米株先物・時間外取引などは堅調に推移している。ユーロ対ポンド相場では、ユーロ買いが優勢。ECB理事会を終えて多くの当局者が一斉に発言しているが、10月の追加利下げに否定的な意見が多かった。データがそろう12月が有力視されている状況。
ドル円は140円台後半での取引。この日は円高が進行しており、ドル円は東京朝方の141.87近辺を高値に東京午後には140.65近辺まで下落。その後、ロンドン朝方にかけては141.40付近まで反発。しかし、ロンドン時間に入ると再び売りが強まり、一時140.37近辺と年初来安値を広げている。来週の米FOMCと日銀決定会合が注目されるなかで、日米金利差縮小観測がドル円相場を押し下げているようだ。
ユーロドルは1.10台後半での取引。東京朝方の1.1070近辺を安値としてその後はドル安の動きに下支えされている。ロンドン時間には揉み合いを上放れて1.1101近辺まで高値を伸ばした。ユーロ円は軟調。東京朝方の157.18近辺を高値にロンドン序盤には155.76近辺まで下落した。その後の戻りは156円台乗せがやっとと限定的。対ポンドではユーロ買いが優勢。複数のECB当局者からは10月追加利下げの可能性は低く、12月の実施する公算が高いとされている。
ポンドドルは1.31台前半での取引。1.31台前半で売買が交錯するなかで、ロンドン序盤には1.3152近辺に高値を伸ばした。しかし、買いは続かず1.3120台に押し戻されている。ポンド円は円買いに押されている。東京朝方の高値186.21近辺からロンドン時間には184.37近辺まで安値を広げている。その後も反発力は鈍く184円台で推移している。ユーロポンドは堅調。0.8430台から0.8450付近へと水準を上げている。今週の英月次GDPが弱含んだことや、昨日のECB理事会を通過したことで、これまでのユーロ売り・ポンド買いに調整が入りやすくなっているようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。