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FOMC議事録を受けドル買い優勢に ドル円は156.70円付近にやや上昇=NY為替概況

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FOMC議事録を受けドル買い優勢に ドル円は156.70円付近にやや上昇=NY為替概況

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。午後に公表されたFOMC議事録を受けてドル買いの反応が見られた。ドル円は156.70円近辺に上昇。議事録では「政策金利をより長期に高水準での維持が望ましい」との見解で一致していたほか、様々な参加者が必要なら追加引き締めに前向きになっていることが明らかとなった。

 前回FOMC後のパウエルFRB議長の会見では利上げに否定的な見解が示されていたが、それらと比べると若干タカ派な印象も広がった模様。一部からは「今回の議事録はデータが今後の金融政策の動向を決定するというシナリオを裏付けた」との指摘が出ていた。全体的に想定範囲内の内容ではあったものの、手掛かり材料に乏しい中で敏感に反応していた模様。

 ユーロドルは1.08ドル台前半にやや値を落とした。ただ、強い上値抵抗が観測されている1.09ドル付近には慎重な雰囲気だが、下げる気配もなく1.08ドル台での底堅い推移が続いている状況に変化はない。本日はECB理事のレーン・フィンランド中銀総裁の発言が伝わっていたが、インフレと賃金の伸び鈍化が6月に利下げを実施する強いケースになると述べていた。

 市場も6月利下げを確実視しているが、その先のヒントを探っている。しかし、レーン総裁は現在の傾向が続くかを見極めたい姿勢を強調するに留まり「われわれはどのような金利の道筋も事前にコミットしない」と述べていた。レーン総裁はまた、FRBの動向はECBの決定を左右するものではないとのコメントも繰り返していた。

 ポンドドルは1.27ドル台で上下動。ロンドン時間に4月の英消費者物価指数(CPI)が発表され、総合指数は前年比2.3%と予想は上回ったものの、2%のインフレ目標に一気に接近した。しかし、英CPIを受けて6月利下げ期待を大きく後退させている。コア指数が予想ほど鈍化しなかったほか、特に注目されていたサービスCPIが前年比5.9%と前回の6.0%からさほど鈍化しなかった点が失望感を強めたようだ。

 サービスインフレは賃金が伸び鈍化から冷え込みへのシフトが遅れていることが示唆されており、英中銀が6月利下げに踏み切るには不十分な内容との指摘も出ている。短期金融市場では6月までの利下げ確率が前日の50%程度から10%に大きく低下し、8月まで利下げについても50%程度に一気に低下している。

 エコノミストからは様々な見方が出ており、4月のデータの多くが一過性のもので6月の可能性が全く無くなったとは言えないが、8月が最も可能性が高いとの指摘の一方、再利上げの可能性も否定できないとの声まで出ている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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