【本日の見通し】米消費者物価指数や小売売上高をにらむ展開
【本日の見通し】米消費者物価指数や小売売上高をにらむ展開
昨日のドル円は156円台での推移が続いた。注目された米生産者物価指数(PPI) は、前月比が市場予想を上回る強いものとなったが、前回値が下方修正され、マイナス圏となったことで相殺され、判断の難しい結果となった。前年比は昨年4月以来の高い伸びとなる+2.2%となったが、市場予想とは一致している。
今日は今月もっとも注目されている材料の一つである米消費者物価指数(CPI・4月)が発表される。また同時刻に米国の個人消費動向を示すことでこちらも注目度が高い小売売上高(4月)が発表される。
CPI前年比、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPI前年比ともに前回3月分から伸びが鈍化する見込みとなっている。ガソリン価格が上昇しており、エネルギーが強めの数字となる見込みとなっているが、その他項目での伸び鈍化が全体を押し下げると見込まれている。ただ、前哨戦となった生産者物価指数が強く出たことで、少し警戒感がある。今月3日の米雇用統計が弱く出たことで、早期の利下げ開始があり得るのではとの見方が出てきているが、物価の高止まりがみられると、利下げが遠いという印象が強まる。大きなドル買い材料となる可能性がある。
また、雇用統計が弱く出たことで注目度が高まった小売売上高にも警戒。雇用がやや鈍っても個人消費が堅調な数字を見せると、こちらも利下げが遠いという印象を与え、ドル買いの材料となる。今週注目度で一位二位を争う両指標がともに強く出た場合、相場への影響がかなり大きくなる。
もちろん弱かった場合も同様。雇用との相関が強い小売売上高は雇用統計の弱さをまともに反応して弱くなる可能性が十分にある。物価統計も消費が鈍っていると鈍化している可能性がある。ともに弱かった場合は大きなドル売り材料となる。
今日は両指標の結果次第という面が大きい。発表までドル円は156円台を中心とした推移か。ユーロドルなどその他通貨も指標発表までは様子見ムードとなりそう。
MINKABU PRESS 山岡和雅

執筆者 : MINKABU PRESS
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