ECBは逆に6月利下げ期待が強まる=NY為替
きょうのユーロドルは一時1.09ドル付近まで買い戻されたものの、1.09ドル台を回復しようという動きまではなく、上値が重くなっている。ただ、下押す動きを強める気配までは見られず、水準は維持されている。前日の米生産者物価指数(PPI)がインフレの根強さを示し、市場はFRBの6月の利下げ開始期待を後退させている。
半面、ECBは逆に6月利下げ期待を強めているようだ。ECBは数カ月前から利下げを急ぐ必要はないと表明し、インフレが依然として重要な懸念事項であると警告してきた。しかし、今週は2名のECB理事が利下げを要求し、風向きが変わりつつあるようだ。ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、すぐに利下げを開始する必要があり、夏休み前までに2回、年内に4回の利下げを促していた。また、レーン・フィンランド中銀総裁も「インフレが2%目標に向かって持続的に低下し続ければ、ECBは夏近くに緩やかなに引き下げる可能性がある」と述べていた。
ECBがこれまで発信してきたメッセージとは著しく異なるものであり、他の理事もハト派スタンスを示す可能性もある。
EUR/USD 1.0886 EUR/JPY 162.21 EUR/GBP 0.8546
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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