ドル円は147円台で上下動 148円台には慎重な雰囲気=NY為替概況
ドル円は147円台で上下動 148円台には慎重な雰囲気=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は147円台での上下動に終始した。日銀に関する報道が錯そうする中、東京時間には147円台前半に下落していたが、海外市場に入って買い戻しが入り、一時148円台に上昇する場面も見られていた。しかし、全体的にドルが軟調な中で、ドル円は148円台には慎重な雰囲気も見せていた。
そのような中で、NY時間の昼過ぎにドル売りが強まり、ドル円も147円台半ばに下落する場面が見られた。米30年債入札の結果が発表され、好調な入札となったことから、利回りが急速に上げ幅を縮小し、ドル円も売りが強まった。ただ、大きな流れには至らずに一時的な反応となっていた。
前日の米消費者物価指数(CPI)は高い数字となったものの、FRBのスタンスに変化は与えないとの見方が有力となっている。いまのところはまだ、6月か7月の利下げ開始を有力視している状況。短期金融市場では6月までであれば確率は73%程度、7月までであれば完全織り込みとなっている。前日よりは若干確率は低下している。明日の米生産者物価指数(PPI)や小売売上高、そして来週のFOMCといった次の材料を待ちたい雰囲気も広がっているようだ。
ユーロドルは買いが優勢となり、1.0965ドル付近に上昇する場面も見られた。1.10ドル台を積極的に試す動きまでは見られていないが、1.09ドル台はしっかりと堅持しており、リバウンド相場を継続している。短期金融市場では6月利下げの可能性を有力視しているが、一部からは4月の可能性も指摘されている。しかし、この日のビルドワドガロー仏中銀総裁からは6月の可能性が高そうだ。「4月よりも6月の可能性が高い」と述べていた。
ECBはきょう、金融政策運営の新たな枠組みを発表。金利のかじ取りは現行の仕組みを維持する一方、金融機関の業務に必要な資金規模について銀行側の意見を多く取り入れるようにする。また、流動性供給するためECBに債券の恒久的なポートフォリオの活用も認めた。新たな枠組みへの移行スケジュールは示されなかったが、過去の金融緩和による多額の流動性が金融システム内に依然あるため、移行プロセスは長期に渡りそうだ。
ポンドドルは1.28ドルちょうど付近で推移。この日は1月の英月次GDPが発表になっていたが、前月比0.2%の上昇となった。10-12月期(第4四半期)の英GDPがマイナス成長となり、英経済はテクニカル的なリセッション(景気後退)に陥いっているが、1-3月はプラス成長の回復が期待されている。きょうの月次GDPはその可能性を正当化する内容ではあった。しかし、予想通りだったこともあり、市場の反応は限定的。
一部からは、英中銀は脆弱な景気回復を後押しするために、より早期の利下げを検討すべきとの声が出ている。年初は好調なスタートを切ったものの、英経済は依然として脆弱な状態にあり、英中銀の早期利下げ観測は依然として根強いという。市場では現在、最初の利下げは8月と見込んでいるが、6月もあり得ると考える向きも多いという。いまのところ、短期金融市場での6月利上げの確率は50%程度で推移している。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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