【これからの見通し】円高一服、視線はドル相場に移動へ きょうは米消費者物価指数発表
【これからの見通し】円高一服、視線はドル相場に移動へ きょうは米消費者物価指数発表
東京市場では、円高が一服している。市場の日銀3月マイナス金利解除観測は高まっているが、きょうの植田日銀総裁からは直接的な言及はみられていない。むしろ、消費の弱さを不安視する発言もあって、円安方向への動きがみられた。
この後の海外市場では2月米消費者物価指数に注目が集まる。市場コンセンサス予想は前年比+3.1%と前回と同水準の伸び。コア前年比は+3.7%と前回の+3.9%からの伸び鈍化が見込まれている。また、前月比は+0.4%と前回の+0.3%から伸び加速の一方、コア前月比は+0.3%と前回の+0.4%から伸び鈍化の見込み。全般的にはインフレ低下傾向を覆すものではないものの、難航している印象を与える予想となっている。市場では、前年比予想をと結果との乖離度合いを中心に、ドル相場が鋭く反応することが想定される。
また、それに先立つ英国では一連の雇用関連指標が発表される。昨日の英REC/KPMG雇用調査では、2月の正社員給与指数が3年ぶり低水準に低下していた。きょうの英ONS発表の賃金に関する公式データが注目されよう。
足元では、一連のECB当局者発言から6月利下げ開始観測が高まっている。これに対して、きょうの米国と英国の指標次第では早期利下げ開始か、年内に何とか利下げを開始するのか、市場の見通しにはかなりの振れが出てきそうだ。ドル円とともにポンドドルやユーロドルの値動きもボラタイルなものとなる可能性があり注意しておきたい。
その他の経済指標は、ドイツ消費者物価指数(確報)(2月)、トルコ・インド・メキシコなどの鉱工業生産(1月)などの発表が予定されている。発言イベント関連では、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、マン英中銀委員、ベイリー英中銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。米10年債入札(390億ドル)が実施される。OPEC月報が公表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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