【これからの見通し】ドル円の150円台乗せが定着するのかどうか
【これからの見通し】ドル円の150円台乗せが定着するのかどうか
きょうはドル円相場が150円台を維持して週末を迎えるのかに注目したい。東京市場では日経平均が史上最高値にあと一歩まで迫る動きをみせた。植田日銀総裁は、「マイナス金利解除しても緩和的な金融環境当面続く」と先週と同じ内容のコメントを発しており、緩和政策維持の面が再確認されている。円相場には円安圧力が働きやすい材料が多い。
対するドル相場は、振幅を示しながらもドル高に分があるようだ。注目度が最も高かった米消費者物価指数が予想を上回ったことの影響が大きい。その後に発表された米小売売上高は予想外に弱含み、ドルが反落した。しかし、ドル指数は10日線のサポート水準で下げ止まっており、右肩上がりの流れは維持している。これもドル円にとっての支援材料となる状況だ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、英小売売上高(1月)、米生産者物価指数(PPI)(1月)、米住宅着工件数(1月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(2月)、カナダ卸売売上高(12月)、カナダ国際証券取扱高(12月)など。米生産者物価指数に対する注目度が高いとみられており、市場予想は前年比が+0.6%と前回の+1.0%から伸びが鈍化する見込み。コア前年比も+1.6%と前回の+1.8%から伸びが鈍化する見込み。
発言イベント関連では、シュナーベルECB理事、バーキン・リッチモンド連銀総裁、バーFRB副議長、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、ピル英中銀チーフエコノミストなどの講演やイベントが予定されている。バーキン・リッチモンド連銀総裁の講演は「インフレ:取り扱い注意」と興味をそそるテーマの会議でのもの。質疑応答も予定されており、注目しておきたい。
上記の経済統計や当局者イベントを経て、週末調整の深度を確認しつつ、ドル円相場の上向きの流れを確認することとなりそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。