ドルは当面、金利の動向に左右との指摘=NY為替
日英で景気後退が確認され、ドルの魅力が増すと思われたが、この日の米小売売上高の不振で、FRBの利下げ期待が再浮上し、本日のドルは軟調に推移している。特に市場が利下げ観測を強めている時は、逃避通貨としてのドルへの認識は後退するという。
過去3ヵ月間、ドルは利下げ期待が進むとそれに追随する傾向を示してきた。双方の相関は0.92まで上昇。ただ、直近の市場はFRBの利下げ期待の回数を減らしており、特に米消費者物価指数(CPI)が予想を上回った後はその傾向が強まった。その結果、ドルは上昇に転じたが、利下げ期待との相関はこの1カ月でかなり弱まっているの指摘が出ている。
いま、市場は再び年内4回の利下げを完全に織り込みつつあり、ドルと利下げ観測との相関は再び強まっている。これは、金利がドルに与える影響力が逃避通貨としての魅力よりも強いことを示す。
政治的リスクが年後半に注目を浴びれば、それも変わる可能性がある。トランプ氏が大統領に選出され、輸入関税の見通しが復活すれば、ドル高のシナリオが注目されるが、それまでは金利見通しの変動に左右される可能性のほうが高いという。
USD/JPY 150.01 EUR/USD 1.0765 GBP/USD 1.2592
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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