ドル買い一服でドル円は149円台前半に下落 期末接近でポジション調整も大方終了か=NY為替概況
ドル買い一服でドル円は149円台前半に下落 期末接近でポジション調整も大方終了か=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが一服し、ドル円も戻り売りに押された。原油高、米国債利回り上昇がドルをサポートし、ドル円を150円に向けて押し上げているが、ドル自体に高値警戒感が高まってきていることや、150円を目前に介入への警感もあり、きょうは上げを一服させたようだ。
月末および四半期末が接近する中で、10月相場に向けたポジション調整も大方終了しているものと思われる。そのような中で、本日は急速に進んだドル高の調整が出ているのかもしれない。
ただ、基本的に状況に変化はない。FRBによる年内の追加利上げと、その後の高金利長期化の観測は根強く、足元のドル高トレンドは、もうしばらく続くとの見方は根強いようだ。
ユーロドルは買い戻しが見られた。今週は節目の1.05ドルを割り込む場面も見られていたものの、下げ過ぎ感も台頭する中で、本日は買い戻しが膨らんでいる模様。
今月のECB理事会を経て、ラガルド総裁は含みを残しているものの、市場はECBの追加利上げ期待を後退させている。明日は9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表されるが、昨年のベース効果もあり、市場のコンセンサス予想は前年比で4%台への鈍化が見込まれている。予想通りであれば、市場のECBに対する期待はさらに強化されそうだ。
その前哨戦として、きょうは9月のドイツ消費者物価指数(HICP)速報値が発表になっていたが、前回の6%台から4%台に鈍化していた。明日のユーロ圏も同様の結果となりそうだ。ただ、ユーロドルがどの程度反応するかは未知数。
*ドイツ調和消費者物価指数(HICP)(速報)(9月)21:00
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.4%(前月比)
結果 4.3%
予想 4.5% 前回 6.4%(前年比)
*ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(9月)29日18:00
予想 0.5% 前回 0.5%(前月比)
予想 4.5% 前回 5.2%(前年比)
予想 4.8% 前回 5.3%(コア・前年比)
ポンドドルも買い戻しが膨らんだ。今週は一時1.21ドル台前半まで下落していたが、本日は100ポイントほど買い戻され、1.22ドル台を回復。英経済への不透明感が高まっている中で、足元のインフレが鈍化傾向を示したことから、英中銀は前回の金融政策委員会(MPC)で追加利上げを見送っている。
ただ、短期金融市場では来年2月のMPCまでにあと1回の利上げの可能性を90%程度で織り込んでおり、利上げサイクルが終了とまでは考えてないようだが、従来からはだいぶ利上げ期待を後退させており、しばらくはポンドを圧迫するとの見方は根強い。ドルの強さ次第ではあるが、ポンドドルはなお1.20ドルに向かって下落すると見られているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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