ドル円の状況に変化はなく、145円台と146円台の間を方向感なく行き来=NY為替概況
ドル円の状況に変化はなく、145円台と146円台の間を方向感なく行き来=NY為替概況
きょうの為替市場はNY時間に入ってドル買いが優勢となり、ドル円は一時146円台に戻す場面が見られた。ロンドン時間には145円台半ばまで下落していた。為替市場は米国債利回りの動向を注視しており、NY時間に入って米国債利回りが再び上げに一時転じたことから、ドル買いで反応している模様。
ただ、ドル円の状況に変化はなく、145円台と146円台の間を方向感なく行き来している状況。金曜日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見の雰囲気が強い。
前回のFOMC議事録で、委員の大半がインフレが鈍化しない可能性を懸念し、利上げ継続が必要になり得るとの見解を示していた。パウエルFRB議長の講演も、利上げ終了は接近しているものの、あと若干の追加利上げと、その後の高水準での金利維持の可能性を示唆する内容になるとの見方が広がっている。
ユーロドルは下値模索が続いている。本日は一時1.0835ドルまで下落しており、1.08ドルちょうど付近の来ている200日線に着々と接近しているようだ。
明日は8月のユーロ圏PMI速報値が発表される。ドイツやフランスも発表され、景気後退への不安が台頭する中で、企業のセンチメントの動向が注目されている。先日発表のドイツZEW景況感指数は今回のPMIがさらに軟化する可能性を示唆していたが、製造業が更に悪化するか、サービス業が判断基準の50を維持できるかに注目が集まっている模様。
ユーロ圏PMIは第3四半期に入ってGDPが減速していることを示唆しており、7月は第3四半期のGDPが0.2%縮小したことを示唆した。今回の数字が更に悪化していれば、第3四半期のマイナス成長への見方がさらに確信に近ずくことになる。
ただ、ECBはコアインフレに重点を置いており、成長鈍化の兆しがECBの追加利上げを妨げることはないと見られている。9月に0.25%ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を4.00%まで引き上げて、今回の利上げサイクルを終了と見られているようだ。
*ユーロ圏PMI(速報値)(8月)23日17:00
製造業
予想 42.5 前回 42.7
非製造業
予想 50.4 前回 50.9
ポンドドルはロンドン時間の序盤に1.28ドルちょうど付近まで買い戻されていたものの、NY時間にかけて戻り売りに押され、1.27ドル台前半まで伸び悩んでいる。本日の21日線は1.2760ドル付近に来ているが、一旦その水準を上回ったものの、結局、21日線の下に再び戻している。ドル高が優勢な中で、ポンドドルの上値は依然として重いようだ。
ロンドン時間に英産業連盟(CBI)が製造業の8月の受注見通しを公表していたが、英製造業の低迷が引き続き示されていた。生産量も前回から大幅に低下している。
明日は8月の英PMI速報値が発表になるが、製造業はl引き続き判断基準の50を下回る水準が見込まれている。一方、サービス業は今年に入って50の水準を回復してはいるものの、再び鈍化傾向が示されており、50を下回るのは時間の問題との指摘も出ているようだ。
*英PMI(速報値)(8月)23日17:30
製造業
予想 45.1 前回 45.3
非製造業
予想 50.7 前回 51.5
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。