【今週の注目材料】欧、英、米の景況感に注目
【今週の注目材料】欧、英、米の景況感に注目
23日に予定されている、8月のユーロ圏及び加盟主要国であるドイツ・フランス、英国、米国のPMI(購買担当者景気指数)速報値があります。
前回7月のユーロ圏及びドイツ・フランスのPMIは鈍化が目立ちました。特にドイツの製造業PMIは市場予想が41.0と6月の41.1から小幅鈍化となっていましたが、結果は38.8まで落ち込みました。パンデミック下の2020年5月以来の40割れです。サービス業も予想を下回り、総合指数は今年1月以来となる50割れとなりました。ユーロ圏も製造業、サービス業ともに予想を下回る弱い結果となっており、欧州の景況感悪化が印象付けられました。
今回のドイツPMIは製造業、サービス業ともに弱かった7月をさらに下回る見込みとなっています。ユーロ圏は製造業が横ばい見込みも、サービス業は低下見込みです。市場予想通りもしくはそれよりもさらに弱い結果を示すと、ECBの追加利上げ期待を後退させる形でユーロ売りとなりそうです。
英国も前回7月は製造業、サービス業ともに市場予想を下回る大きな低下となりました。今回はさらに弱い結果が見込まれています。物価高傾向が継続しているものの、賃金の伸びなどが見られ、英景気見通しは一時強まった悲観論が後退しています。ただ、景況感が予想を超えてさらに鈍化しているようだと、先行き不透明感が強まり、ポンド売りとなる可能性があります。
7月の米PMIはユーロ圏・英国とは違い製造業が低下予想に反して改善しました。好悪判断の境となる50には届かなかったものの6月の46.3から46.1に小幅鈍化見通しから49.0に上昇しています。サービス業は予想を超える悪化と、まちまちな結果となりました。今回は製造業が48.9と小幅鈍化もほぼ横ばい、サービス業が52.5と前回の52.3からやや改善という予想になっています。市場の予想通り、欧州に比べて米国の景況感の強さが示された場合、ドル買いが強まる可能性があります。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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