米債利回り低下、ドルの上値重くドル円は１３８円台前半へ軟化＝ロンドン為替概況

米債利回り低下、ドルの上値重くドル円は１３８円台前半へ軟化＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場は、ドルが上値重く推移。米債利回りの低下とともにドル円は138円台半ばから138.09近辺まで下押しされた。ドル売りが先行するなかでユーロドルは高値を1.1276近辺に伸ばした。しかし、クノット・オランダ中銀総裁が「７月より後の利上げはあり得るが、確実ではない」「コアインフレは横ばい状態になったもよう」と発言したことがややハト派的と捉えられ、独債利回り低下を誘った。ユーロドルは1.1230付近まで一時反落。取引中盤にかけて、イエレン米財務長官は米雇用需要の高まりが後退してきていると指摘した。ドル売りとの綱引きでユーロドルは1.12台半ばへと下げ渋っている。ポンドドルは1.30台後半での揉み合いを上抜けると1.3126近辺に高値を伸ばし、その後は1.31付近で推移。明日の英消費者物価指数発表を控えて、コア前年比が＋７．１％に高止まりする予想となっている。欧州株や米株先物・時間外取引は売買が交錯しており、方向性は希薄。ユーロ円は156円付近が重く、一時155.30付近と軟調。一方、ポンド円は180.70付近に下押しされたあとは181円台を回復と反発している。ユーロ対ポンドではユーロ売りが優勢。

　ドル円は138円台前半での取引。東京朝方につけた138.92近辺を高値に、その後は売り圧力が継続している。ロンドン時間に入ると米債利回りが低下し、一時138.09近辺まで安値を広げた。ただ、前日安値138.00レベルには届かず138円台前半で揉み合っている。欧州株や米株先物・時間外取引は売買が交錯も方向感に欠けている。米小売売上高などの発表待ちとなっている。

　ユーロドルは1.12台半ばでの取引。米債利回りの低下とともに1.1276近辺まで買われたあとは、1.1228近辺まで反落。クノット・オランダ中銀総裁が９月利上げについて明言を避けたことはハト派的と捉えられたもよう。ただ、ドル売り圧力との綱引きで1.12台半ばへと下げ渋っている。ユーロ円は156円付近が重くなるとロンドン序盤には155.28近辺まで安値を広げた。その後は155.50台まで戻している。対ポンドではユーロ買い先行も、売り戻しの方が優勢になっている。

　ポンドドルは1.31付近での取引。1.30台後半から1.31付近で振幅したあと、上抜けると1.3136近辺まで高値を伸ばした。その後は1.31付近での推移。ポンド円は180.72近辺まで下押しされたあとは181.50手前水準まで反発。底堅い値動きとなっている。ユーロポンドは0.86台乗せへと買いが先行したあとは0.8570台に安値を更新と、ポンド買いが優勢。明日の英消費者物価指数待ちとなっている。　

minkabu PRESS編集部 松木秀明