円安の動きに調整も、欧州株や米株先物は堅調 次の展開待ちに=ロンドン為替概況
円安の動きに調整も、欧州株や米株先物は堅調 次の展開待ちに=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、ドル買いと円買いの動きが入っている。東京市場からロンドン序盤までの円安・ドル安の流れが一服した格好。ただ、欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移。米10年債利回りも3.37%付近から3.41%付近に上昇。NY原油先物は70ドル台から71ドル台へと下げ渋り。総じてリスク動向は落ち着いたものとなっている。今週の一連の米物価統計や英金融政策発表を通過し、次の焦点となっている米債務上限問題については協議が来週早々へと延期されており、きょうは手掛かり難となっている。次の展開待ちのムードとなっているようだ。ドル円は134.90近辺まで買われたあとは134.60台へと上昇一服。ユーロ円は147.47近辺に高値を伸ばしたあとは、急速に売られて147円台割れとなっている。ユーロドルも1.0935近辺まで買われたあとは1.0899近辺まで反落した。ほぼ1カ月ぶりの安値水準となっている。この日はインフレ期待の低下を受けたNZドル売りや、ロシアに対する武器提供を米国に批判されている南アのランドが売られている。特に南アランドは対ドルで連日の最安値更新となっており、側面からドル高圧力につながる面も指摘される。
ドル円は134円台後半での取引。東京市場ではじり高の動きとなり、ロンドン序盤にかけては134.90近辺まで高値を伸ばした。その後は上昇一服となり134.60-70レベルで揉み合っている。欧州株や米株先物は堅調に推移、米債利回りは上昇、原油先物は下げ渋りとリスク動向は落ち着いているものの、円安の動きには調整が入っている。
ユーロドルは1.09付近での取引。東京市場で底堅く推移した流れを受けて、ロンドン朝方には高値を1.0935近辺に伸ばした。しかし、ロンドン勢の本格参加とともに売りが強まると一時1.0899近辺まで下落。約1カ月ぶりの安値水準となった。ユーロ円も東京市場での上昇を受けて147.47近辺まで高値を伸ばしたが、その後は一転して下落。147円台割れとなって、東京市場での上げをほぼ解消した。対ポンドではユーロ売りが優勢で、前日海外市場での上昇に調整が入る形になっている。ナーゲル独連銀総裁は、引き続き追加利上げが必要との認識を示した。
ポンドドルは1.25台前半での取引。1.25台前半と前日からの安値圏でやや下げ渋りの動き。ロンドン朝方には1.2541近辺まで買われたが、上値追いの動きは限定的。ポンド円は東京市場での上昇を受けて、ロンドン朝方には高値を169.14近辺に伸ばした。その後は上値を抑えられており、168円台後半から169円付近での揉み合いが続いている。ユーロポンドは0.8730付近から0.87台割れへと軟化している。前日海外市場での上昇に調整が入る形になっている。この日発表された英GDPは前期比+0.1%とかろうじてプラスとなったが、月次データでは前月比-0.3%と弱い数字だった。ポンド相場は反応薄だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。