週末を控えて、リスク警戒の動きが後退、円売りが優勢に=NY為替概況
週末を控えて、リスク警戒の動きが後退、円売りが優勢に=NY為替概況
きょうのNY為替市場はロンドン市場で強まったドル売り円買いに対する調整の動きが広がった。序盤はダウ平均が300ドル安になるなど、リスク警戒の動きが継続。ドル円は安値から戻していたものの、やや戻りが鈍いという展開であった。その後米株の買い戻しが優勢となり、ロンドン市場で目立っていた米長期債利回りの低下も、反発に転じたことで、ドル高円安の動きが広がった。
米・欧の金融機関動向への注目が集まる中で、イエレン財務長官が臨時の金融安定監視評議会を招集するなど、当局の積極的な姿勢が目立っており、週末を挟んでのドル売りポジション維持にやや警戒感が出たと見られる。
ドル円はロンドン市場で付けた129円64銭から1円以上ドル高円安の130円90銭前後まで上昇。ロンドン市場での動きがドイツ銀行の株価大幅安から始まったこともあって、ドル円以上に下げを見せ、ロンドン市場で141円台から139円00銭台を付けたユーロ円は、140円90銭前後までの大きな買戻しとなった。
ロンドン市場で1.0830台から1.0710台を付けたユーロドルあH、1.0770前後まで買い戻されている。
序盤は売りが目立った米株は、主要3指数がいずれもプラス圏で引けた。ダウ平均は安値から400ドル以上上昇。ハイテクの一部に売りが出たことで、ダウなどがプラス圏推移の中でも冴えない動きを見せたナスダックもプラス圏を回復して引けており、リスク警戒後退の流れが意識されている。
ポンドはユーロドルに連れ安となり、ロンドン市場で1.2280台から1.2190台を付けた。その後は戻して1.2230台で引けている。ポンド円はロンドン朝の160円台から158円台前半まで落とした後、160円前後までNY市場で買い戻された。欧州の金融機関への警戒感からユーロに連れた動き。ロンドンは銀行間の取引が盛んなだけに、影響が強く出るとの警戒感が見られている。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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