ドル買いが続く ドル円は131円台半ばに戻す=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが続き、ドル円は131円台半ばに戻した。ロンドン時間には一旦売りが強まり、130円を割り込む場面が見られた。次期日銀総裁に元日銀審議委員で経済学者の植田氏を起用との報道が伝わった。市場は有力候補と見られていたハト派と認識されている雨宮副総裁ではないということで円高の反応が見られていたようだ。
一部からは、昨年10月頃からのドル安トレンドは一時的に止まる可能性があるとの指摘が出ている。市場がFRBに対する見方を見直しており、景気の不透明感による逃避買いにも支えられ、ドル安トレンドが一時的に止まる可能性があるという。1月末に比べ、ターミナルレート(最終到達点)が想定よりも高くなるのではとの見方が市場に増えつつあり、今年後半の利下げに対する期待も縮小している。
一方、ドルは依然として過大評価されていることから、FRBが利上げを停止し、中国と世界の成長も改善、市場のボラティリティが低下すれば、ドルは支持されなくなるとも述べている。具体的には、今年の第1四半期後半から第2四半期にかけてドル安が再開し、来年にかけて下落が続くと思われるという。
ユーロドルは再び1.06ドル台に下落。目先は2月7日に付けた直近安値の1.0670ドル付近が下値メドとして意識される。
市場からは、ドイツのインフレ指標を受けて、ユーロを上昇させるECBの能力が低下したとの指摘が出ている。ECB理事が追加利上げの必要性についてタカ派な発言をした場合でも、ユーロが上昇の反応を示す余地は限定的になっているという。
前日発表のドイツのインフレ指標が予想を下回ったことで、投資家がユーロの買戻しに慎重になっており、ECB理事がタカ派な発言をしても、ユーロ高の反応は限定的になっているように見えるという。
ポンドドルは1.20ドル台半ばまで下落。目先は1.20ドルを維持できるかが注目だが、その下の1.19ドル台半ばには200日線が控えている。
急速に上昇する金利が家計と企業に打撃を与え、今年の英経済はマイルドなリセッション(景気後退)に入るとの見方が根強い。エネルギー価格下落により、成長見通しは最近改善されたが、年前半は引き続き逆風に直面するという。
企業債務の約5分の4が変動金利で、利上げは英企業に非常に迅速に反映される。そのため、高金利は特に企業を直撃し、改善を見せていた設備投資の持続可能性には深刻な疑問があるとしている。このような背景から、英中銀は3月の利上げを見送り、現行の4.00%でターミナルレート(最終到達点)を迎える可能性もあるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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