日銀総裁人事報道でドル円が乱高下、全般的には様子見ムードも=ロンドン為替概況
日銀総裁人事報道でドル円が乱高下、全般的には様子見ムードも=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、日銀総裁人事報道でドル円が乱高下した。東京市場でドル円は131円台半ばから後半で高止まりしていた。ロンドン早朝に、突然円が急伸した。 日経が「政府、日銀新総裁に植田和男氏を起用する人事固める」と報じたことに鋭く反応している。市場では次期総裁候補として黒田日銀総裁に最も近いとされる雨宮副総裁が指名されるとの見方が濃厚だっただけに、植田氏という未知の総裁候補が浮上したことで反射的な円買い反応につながった。ドル円は一気に129.81近辺まで下落、高値から2円超の下げとなった。その後、売り一服となったあと、再び131.40付近まで急反発。植田氏に報道各局がインタビューし、「日銀の金融政策は適切、緩和的な政策を継続する必要」と述べたことが円売り反応につながった。その後は131円を挟んだ取引へと一服している。クロス円も激しく振幅。ユーロ円は141円台前半から139円台半ばへ下落したあと140円台後半まで反発、その後は140円台前半で推移している。ドル円、クロス円ともに日銀人事報道前の円安水準には戻しきれていない。米株先物や欧州株が軟調に推移しており、週末を控えた調整ムードも加わったようだ。ユーロドルは1.07台半ばから1.07台割れ、ポンドドルは1.21台前半から1.20台後半まで一時軟化した。円相場は荒い値動きとなったが、ドル相場全般には前日からのドル高圧力は緩やかに続いている。
ドル円は131円付近での取引。131円台半ばから後半に高止まりしていたが、日銀総裁人事報道で一気に円高となり、129.81近辺まで急落。日経が「政府、日銀新総裁に植田和男氏を起用する人事固める」と報じたことに反応した。その後、同氏が「日銀の金融政策は適切、緩和的な政策を継続する必要」と述べたことが報じられると131.40付近まで反発。足元では131円をやや割り込む水準で推移している。
ユーロドルは1.07付近での取引。序盤に1.0753近辺まで買われた後は、売りに押されて1.0692近辺に安値を広げた。ユーロ円はドル円とともに乱高下。141円台前半から139.56近辺まで急落したあとは、140円台後半まで反発。その後は140円台前半と上値重く推移している。対ポンドではユーロ売りが優勢になっている。ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が、3月以降もさらなる利上げが行われる公算高い、などと述べたが、ユーロ買い反応は特段みられなかった。
ポンドドルは1.21台前半での取引。朝方につけた1.2139近辺を高値にその後は1.2080近辺まで安値を広げた。その後は1.21台前半に下げ渋っている。ポンド円は159円台前半から一時157.54近辺まで急落。その後は159円台乗せまで反発も、158円台半ばへと再び軟化している。ユーロポンドは0.8870付近まで小幅に買われた後は売りに転換して安値を0.8840近辺に広げている。ユーロと比較するとポンドは底堅い値動き。英GDPは12月の月次では-0.5%と予想以上の落ち込みを示したが、第4四半期は前期比横ばいと、一段の縮小は免れていた。鉱工業生産が前月比、前年比ともに予想を上回り、やや回復の兆しがみられた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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