ドル円一時132.00レベル、日銀サプライズの影響続く=ロンドン為替概況
ドル円一時132.00レベル、日銀サプライズの影響続く=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円買いが継続。この日の日銀決定会合で予想外にYCC変動幅拡大を発表したことが急速な円買いを巻き起こした。ロンドン時間に入ってからもドル円、クロス円が一段と下押しされている。先週に米英欧スイスなど主要中銀が50bp利上げを実施し、日銀は無風で通過するとみていた市場にショックを与えている。ドル円は東京市場で137円台から133円台へと急落。ロンドン市場ではさらに132.00近辺まで下値を広げた。クロス円も円買いに押されている。ユーロ円は140円台前半、ポンド円は160円台前半、豪ドル円は88円ちょうど付近まで安値を広げている。黒田日銀総裁は会見で、「今回の措置は利上げではない、市場機能改善による緩和効果波及のため」と強調したが、市場では実質利上げとの見方が優勢だった。また、急速な円高進行について、鈴木財務相や神田財務官からは具体的なコメントは差し控えられていた。円相場が主役だったことで、ユーロドルやポンドドルは方向感に欠ける振幅。ユーロドルは1.05台後半に下落したあと1.06台前半へと上昇。ポンドドルは1.20台後半に下落したあと、1.22付近まで反発した。米10年債利回りは3.58%付近から一時3.70%付近まで上昇したが、ロンドン時間には3.64-3.67%に落ち着いている。欧州株、米株先物は軟調も、下げ幅は限定的。
ドル円は132円台半ばでの取引。日銀決定会合で予想外のYCC変動幅拡大が発表されたことで円買いが殺到した。137円台から133円台へと急落。ロンドン朝方には133円台割れとなったあと133.70付近まで反発する場面があったが、再び売りに押されている。安値を132.00レベルまで広げた。年間レンジの半値水準132.71レベルを下回っている。
ユーロドルは1.06台前半での取引。ドル円の急落場面でつけた1.0651近辺を高値にその後は反落。ロンドン朝方には1.0579近辺に安値を更新。ロンドン勢の本格参加とともにふったび買われて1.06台前半に至っている。円相場主導の展開で総じて方向性に欠ける動きだった。ユーロ円はドル円とともに下落。145円台割れから141円台へと急落したあと、142円台が重くなった。ロンドン序盤には安値を140.16近辺まで広げた。足元では下げ一服となり、141円付近へと下げ渋り。対ポンドでは売買が交錯も、ややユーロ買いが優勢。11月ユーロ圏生産者物価指数は予想以上に伸びが鈍化したが、目立った反応はみられず。
ポンドドルは1.21台後半での取引。ドル円の急落場面でつけた1.2223近辺を高値に、その後は売られて1.2086近辺に安値を広げた。ロンドン時間に入ると買戻しの動きで再び1.22台を試したが、乗せきれず現在に至っている。ポンド円は166円台から161円台へと急落したあと、162円台では再び売りが入った。安値を160.30近辺に更新したあとは、161円台に下げ渋り。ユーロポンドは0.8709から0.8760で振幅しており、目立った方向性は示されていない。クリスマス週で取引が手控えられるなか、日銀発の円買いの動きが相場の主役となっていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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