ドル円は比較的しっかり、110円台半ば超えへ
ドル円は比較的しっかり、110円台半ば超えへ
米企業の好決算を受けた株価化がリスク選好を誘った面も
ECB理事会は事前見通し通り据え置き、戦略変更後初で姿勢の変化が期待された理事会では
慎重姿勢維持が強調された。
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【21日の市場】110円台を回復
海外市場でドル円は110円台を回復。
110円台前半での買いには慎重姿勢も見られるが、下値しっかり感が強い。
米債利回りの下げ一服や米株の好決算を受けた買いなどが支えに。
ユーロドルは一時1.17台半ばまで下げるも、その後1.18台を回復。
ECB理事会を控えて突っ込んだ売りには慎重姿勢が見られた。
【22日の市場】円売り優勢に
円売りが優勢。ドル円は110円台を維持しての推移が続いた。
ユーロドルは前日の1.18台回復から少し値を落として1.17台後半での推移。
ECB理事会後はいったん買いが入り1.1830前後まで上昇も、すぐに値を落として
1.1750台まで値を落とすなどユーロ売りが優勢に。
ECB理事会は事前見通し通り慎重姿勢を維持。
フォワードガイダンス変更については、
「見通しが進展を示すまで金利は現状かそれを下回る水準。
行動のかなり前にインフレ見通しが2%に達している必要ある」と
長期の緩和姿勢を強調した。
政策変更が特に見られず、発表直後はユーロ買いもハト派色強調の中ですぐに値を落としてユーロ売りに。
ポンドは新型コロナの感染拡大が顕著となっているほか、
ブロードベンド英中銀副総裁がインフレの継続に確信持てずと慎重姿勢を示唆も、対ドル中心に買いが優勢。
【23日の市場】ドル買い優勢
ドル円が一時110円台半ばを超えるなどしっかり。
ユーロドルは前日NY市場に続いて1.1750台をトライする動きに。
ただ、1.17台半ばがしっかり、上値は重いという展開に値幅は抑えられた。
前日上昇したポンドドルは、よりポンド売りドル高が目立ち、1.3720前後まで。
北アイルランドを巡る英国とEUとの対立と貿易摩擦懸念がポンドの重石に。
【本日の見通し】ドル円しっかり
今週は27日、28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、
29日に米第2四半期GDPを控えており、
週前半は様子見ムードが広がりそう。
ドル円は基本的にはしっかりの展開で、110円台でのレンジ取引を意識。
東京勢不在の先週木曜日海外市場でのドル売り円買いトライで110円台を維持しており、
下値しっかり感がかなり強い展開。
様子見ムードが広がる中、積極的なドル買いにも慎重姿勢が見込まれ
110円台半ばを挟んでの振幅が続く展開か。
【本日の戦略】米FOMCやGDPwお前に無理は禁物
大きな流れができる可能性がある今回の米FOMCや米第2四半期GDPを前に無理は禁物か。
スウィングは110円に近いところまで買い。109円80銭台を割り込みようだとストップという印象。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません
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《7/21 水曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 109.85 1.1781 129.42
高値 110.39 1.1805 130.19
安値 109.80 1.1752 129.16
終値 110.29 1.1794 130.10
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《7/21 水曜日の主要株式指数》
日経 27548.00 +159.84
DOW 34798.00 +286.01
S&P 4358.69 +35.63
Nasdaq 14631.95 +133.07
FTSE 6998.28 +117.15
DAX 15422.50 +206.23
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《7/21 水曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=70.30(+3.10 +4.61%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1807.40(-7.80 -0.43%)
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《7/21 水曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
通関ベース貿易収支(6月)08:50
結果 3832.0億円
予想 4600.0億円 前回 -1894.0億円(-1871.0億円から修正)(通関ベース貿易収支)
結果 -902.0億円
予想 226.0億円 前回 196.0億円(431.0億円から修正)(通関ベース貿易収支(季調済))
【豪州】
小売売上高(速報値)(6月)10:30
結果 -1.8%
予想 -0.7% 前回 0.4%(前月比)
【英国】
公共部門ネット負債(6月)15:00
結果 220.0億ポンド
予想 215.0億ポンド 前回 199.0億ポンド(236.0億ポンドから修正)
【南ア】
消費者物価指数(6月)17:00
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.1%(前月比)
結果 4.9%
予想 4.8% 前回 5.2%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(07/10 – 07/16)20:00
結果 -4.0%
予想 N/A 前回 16.0%(前週比)
米週間石油在庫統計(バレル・前週比)23:30
原油 +210.7万(4億3969万)
ガソリン -12.1万(2億3641万)
留出油 -134.9万(1億4100万)
(クッシング地区)
原油 -134.7万(3671万)
*()は在庫総量
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《7/21 水曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【米国】
米20年債入札結果
最高落札利回り 1.890%(WI:1.878%)
応札倍率 2.33倍(前回:2.40倍)
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《7/22 木曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.29 1.1794 130.10
高値 110.36 1.1830 130.30
安値 110.01 1.1757 129.49
終値 110.14 1.1771 129.65
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《7/22 木曜日の主要株式指数》
日経 休み
DOW 34823.35 +25.35
S&P 4367.48 +8.79
Nasdaq 14684.60 +52.65
FTSE 6968.30 -29.98
DAX 15514.54 +92.04
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《7/22 木曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=71.91(+1.61 +2.29%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1809.20(+1.80 +0.10%)
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《7/22 木曜日に発表された主な経済指標》
【香港】
消費者物価指数(6月)17:30
結果 0.7%
予想 1.2% 前回 1.0%(前年比)
【ユーロ圏】
ECB政策金利(7月)20:45
結果 0.0%
予想 0.0% 前回 0.0%(ECB政策金利)
結果 -0.5%
予想 -0.5% 前回 -0.5%(ECB預金ファシリティ・レート)
結果 0.25%
予想 0.25% 前回 0.25%(ECB限界貸出ファシリティ)
消費者信頼感指数(速報値)(7月)23:00
結果 -4.4
予想 -2.6 前回 -3.3
【米国】
新規失業保険申請件数(07/11 – 07/17)21:30
結果 41.9万件
予想 35.0万件 前回 36.8万件(36.0万件から修正)(前週比)
結果 323.6万件
予想 310.0万件 前回 326.5万件(324.1万件から修正)(継続受給者数)
中古住宅販売件数(6月)23:00
結果 586万件
予想 590万件 前回 578万件(580万件から修正)
景気先行指数(6月)23:00
結果 0.7%
予想 0.8% 前回 1.2%(1.3%から修正)(前月比)
【南アフリカ】
中銀政策金利(7月)22:11
結果 3.5%
予想 3.5% 前回 3.5%(南ア中銀政策金利)
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《7/22 木曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【英国】
*ブロードベント英中銀副総裁
高インフレ率は抑制されるだろう。
石油価格上昇によるところが大きい。
商品価格によるインフレが継続すること確信持てず。
インフレに対する適切な反応はおそらく静観することであろう。
短期的にはインフレに上昇リスクがある。
問題となるのは2年間のインフレ。
長期的にインフレが続けば、労働市場を阻害するだろう。
【ユーロ圏】
*ECB
PEPPの規模を1兆8500億ユーロに維持。
PEPPは少なくとも2022年3月末まで継続。
PEPPは年初に比べて購入ペースを大きく加速へ。
予測が進展を示すまで、金利は現状がそれを下回る水準に。
行動のかなり前にインフレ見通しが2%に達している必要がある。
*ラガルドECB総裁
ECBはより緊密なコミュニケーション行うだろう。
ECBはガイダンスと経済状況の精査に焦点当てた。
中期的なインフレ見通しはECBの目標を下回っている。
インフレは持ち直してきているが、一時的とみられる。
経済回復は進行中。
パンデミックが引き続き経済に影落としている。
インフレ見通しは引き続き低調。
全ての措置を調整する用意がある。
第2四半期に経済はリバウンドした。
第3四半期は強い成長を示すだろう。
製造業が強いパフォーマンス示すこと期待。
感染の再拡大でサービス部門は打撃うける。
経済のダメージが修復されるまでは長い道のりに。
来年第1四半期には経済活動はコロナ危機以前の水準を回復へ。
見通しに対するリスクはほぼ均衡している。
製造業の供給不安は短期間で落ち着くだろう。
ガイダンス変更は圧倒的な多数が支持した。
ガイダンスが戦略見直しを反映させるべきことは全会一致。
利上げを行うためには、インフレが2%未満であってはならない。
6月理事会での見通しには、デルタ変異種に対する行動制限措置を加味した。
時期尚早な引き締めを誰も望まない。
新たなガイダンスは、時期尚早の引き締めを防ぐ意図ある。
今後のPEPPについては議論しなかった。
9月理事会での経済見通しは今後の政策に影響する。
インフレ率を意図的にオーバーシュートさせることはない。
APPと金利との関係性について議論しなかった。
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《7/23 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 110.14 1.1771 129.65
高値 110.59 1.1786 130.18
安値 110.09 1.1755 129.59
終値 110.55 1.1771 130.11
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《7/23 金曜日の主要株式指数》
日経 休み
DOW 35061.55 +238.20
S&P 4411.79 +44.31
Nasdaq 14836.99 +152.39
FTSE 7027.58 +59.28
DAX 15669.29 +154.75
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《7/23 金曜日の商品市場》
NY原油先物9月限(WTI)(終値)
1バレル=72.07(+0.16 +0.22%)
NY金先物12月限(COMEX)(終値)
1オンス=1805.90(-3.30 -0.18%)
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《7/23 金曜日に発表された主な経済指標》
【英国】
GfK消費者信頼感調査(7月)08:01
結果 -7.0
予想 -8.0 前回 -9.0
小売売上高(6月)15:00
結果 0.5%
予想 -0.1% 前回 -1.3%(-1.4%から修正)(前月比)
結果 9.7%
予想 9.5% 前回 24.6%(前年比)
結果 0.3%
予想 0.1% 前回 -2.0%(-2.1%から修正)(除自動車燃料・前月比)
結果 7.4%
予想 7.6% 前回 21.7%(除自動車燃料・前年比)
製造業PMI(速報・購買担当者景気指数)(7月)17:30
結果 60.4
予想 62.4 前回 63.9
非製造業PMI(速報・購買担当者景気指数)(7月)17:30
結果 57.8
予想 62.0 前回 62.4
【シンガポール】
消費者物価指数(6月)14:00
結果 0.0%
予想 0.1% 前回 0.8%(前月比)
結果 2.4%
予想 2.5% 前回 2.4%(前年比)
【ユーロ圏】
ドイツ製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(7月)16:30
結果 65.6
予想 64.1 前回 65.1
ドイツ非製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(7月)16:30
結果 62.2
予想 59.5 前回 57.5
ユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(7月)17:00
結果 62.6
予想 62.5 前回 63.4
ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者景気指数)(速報値)(7月)17:00
結果 60.4
予想 59.3 前回 58.3
【カナダ】
小売売上高(5月)21:30
結果 -2.1%
予想 -3.0% 前回 -5.6%(-5.7%から修正)(前月比)
結果 -2.0%
予想 -1.5% 前回 -7.3%(-7.2%から修正)(コア・前月比)
【米国】
PMI(購買担当者景気指数)(7月)22:45
結果 63.1
予想 62.0 前回 62.1(製造業PMI(速報値))
結果 59.8
予想 64.5 前回 64.6(非製造業PMI(速報値))
結果 59.7
予想 N/A 前回 63.7(コンポジットPMI(速報値))
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《7/23 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【ユーロ圏】
*ウンシュ・ベルギー中銀総裁
新たな金利ガイダンスは行き過ぎ。
自身は回避条項を求めた。
ECBが考慮すべきトレードオフを十分に考慮していない。
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《本日予定されている主な経済指標》
【NZ】
貿易収支(6月)7:45
予想 N/A 前回 4.69億NZドル
【ユーロ圏】
ドイツIfo景況感指数(7月)17:00
予想 N/A 前回 101.8
【香港】
貿易収支(6月)17:30
予想 N/A 前回 -255.0億香港ドル
【米国】
新築住宅販売件数(6月)23:00
予想 80.0万件 前回 76.9万件
予想 4.0% 前回 -5.9%(前月比)
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執筆者 : 山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長
1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員