【これからの見通し】ドル高トレンド開始の条件整う、今日の市場に注目
【これからの見通し】ドル高トレンド開始の条件整う、今日の市場に注目
昨日の米FOMCを受けてドル買いの動きが強まっている。メンバーの金利見通しが一段と利上げ方向に傾斜したことが背景。2023年中の利上げ派が前回の7人から今回は13人へとほぼ倍増した。2023年末までに2回の利上げを見込む状況となった。パウエル米FRB議長からも労働市場について従来よりも強気な見方や、QE縮小に関する議論が開始されたことも示された。
予想以外のタカ派ぶりに市場はサプライズの反応を示した。米10年債利回りは一時10bpの上昇。1.48%近辺から1.58%台へと上昇、その後の東京市場でも1.59%台をつけている。ドル円は109円台後半から110円台後半へと上伸。ユーロドルは1.21台割れから1.19台へと下落。その他主要通貨に対してもドル買いの動きが強まっている。現時点では大きな調整もなく、このままドル高トレンドが開始しそうな気配だ。
この後の海外市場では、利上げ観測の副作用としての株安の動きがどの程度続くのかがポイントとなりそうだ。株式市場の対する調整が強まるようだと、ドル円、クロス円に対する売り圧力が広がることになろう。注目イベント後の調整の動きとともに注意してみたい。ドル高派にとっては、押し目買いの機会をうかがう局面になろう。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイス中銀政策金利、香港失業率(5月)、ユーロ圏消費者物価指数・確報値(5月)、トルコ中銀政策金利、南ア実質小売売上高(4月)、米フィラデルフィア連銀景況指数(6月) 、米新規失業保険申請件数(12日までの週)、米景気先行指数(5月)など。トルコ中銀は政策金利を19%に据え置くことが予想されているが、前日の米FOMC後とあって市場ではリラ安阻止の利上げ観測もあるようだ。しかし、エルドアン大統領からの利下げ圧力により中銀は苦悩しそうだ。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーンECBチーフエコノミスト、エルダーソンECB理事、ビスコ伊中銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。また、イエレン米財務長官が下院歳入委員会で2022年度予算案について証言を行う。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。