ポンド安と円高の動き、英インフレ指標や小枝日銀委員発言を材料に=ロンドン為替概況
ポンド安と円高の動き、英インフレ指標や小枝日銀委員発言を材料に=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、ポンド安と円高の動き。ロンドン序盤はポンド売りが優勢。日本時間午後4時に発表された2月英消費者物価指数が予想を下回る伸びとなったことに反応。市場では5月の英中銀会合での利下げ観測が上昇した。ポンドドルは1.2940付近から1.2886近辺まで下落。ポンド円は194.79近辺を高値に193.48近辺まで下落した。対ユーロでもポンドが売られている。ポンド円の下げにつれてドル円やその他のクロス円も軟調な動きに転じている。ドル円は150.62近辺の高値を東京午後につけたが、ロンドン時間には150円手前まで反落。東京市場での上げ幅をほぼ解消している。ユーロ円は162.44近辺を高値に162円台割れまで一時反落した。円買いが入るタイミングでは小枝日銀審議委員の就任会見も実施されており、「賃金・物価の好循環のステップは確認されてきている」「実質金利は極めて低いのが現状」「基調的なインフレは緩やかに上がっている」などの発言がタカ派的に捉えられた面も指摘される。このあと日本時間午後9時からリーブス英財務相が春季予算案および経済予測を公表する。内容を見極めたいとして足元ではポンド売りの勢いは一服している。
ドル円は150円台前半での取引。東京午前に149.84近辺の安値を付けたあとは、上昇の流れが続いた。東京午後には150.62近辺まで高値を伸ばした。しかし、その後は上昇一服。ロンドン時間には150円割れ目前まで再び下落する場面があった。ポンド円の下落に連れ安となったほか、小枝日銀審議委員会見がタカ派的と捉えられた面があった。
ユーロドルは1.07台後半での取引。前日NY終値1.0791レベルを挟んだ揉み合いが続いており、これまでのレンジは1.0778-1.0803までにとどまっている。ユーロ円はドル円とともに振幅。東京朝方の161.68近辺を安値に、ロンドン朝方には162.44近辺まで買われた。その後はポンド円の下落とともに一時162円台割れまで反落した。対ポンドではユーロ買いが優勢。 パネッタECB理事は「インフレ率が低下し金利が中立水準に近づくにつれ、不確実性が問題となる」と指摘。ビルロワドガロー仏中銀総裁は「実際的に金利を引き下げる余地はまだある」と述べた。
ポンドドルは1.29付近での取引。東京朝方の1.2949近辺を高値に東京時間はやや上値重く推移。日本時間午後4時の英消費者物価指数が予想を下回る伸びとなったことで、売りが強まった。1.2940付近から一時1.2886近辺まで安値を広げた。ポンド円は東京市場で買われたあと売りに転じている。ロンドン朝方の194.79近辺を高値に、一気に193.48近辺まで下落した。ユーロポンドは0.8333から0.8375近辺へと上昇。ただ、このあとに英春季予算案の発表を控えており、足元ではポンド売りは一服している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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