ドル円は150円台で上下動 関税やFRBの政策への不透明感は根強い=NY為替概況
ドル円は150円台で上下動 関税やFRBの政策への不透明感は根強い=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は150円台で大きく上下動した。前日のNY時間に150円を割り込んだものの、買い戻されている。150円割れでは押し目買い意欲も強いようだ。円ロングもなお、かなり積み上がっており、日本の年度末に向けてポジション調整が活発に出るようだ。ただ、海外時間に入ると再び伸び悩む動きとなった。NY時間の早朝には150円割れを試す動きも見られたが、維持している。
貿易戦争が経済に与える影響やFRBの政策に対する不透明感が根強い。トランプ大統領が自動車業界への関税を発表すると伝わった。来週予定されている広範な相互関税に先立ち、世界的な貿易相手国との戦いをエスカレートさせることになる。
また、本日はムサレム・セントルイス連銀総裁の講演が伝わっていたが、関税の影響を懸念しており、二次的影響がある場合は金利をより長期に渡って据え置く可能性があるとの認識を示していた。また、第1四半期の成長は鈍化しているとの見方も示している。FRBは辛抱強く慎重なアプローチを追求すべきとの考えも示した。
ユーロドルは終盤にやや売りが出て、1.07ドル台半ばに値を落とした。本日のユーロドルは動意薄で1.07ドル台後半での振幅が続いていたが、午後になって下落している。トランプ大統領が来週、EUに対して約20%の関税を課す可能性が報じられていた。
EUのシェフチョビッチ欧州委員(通商担当)がラトニック米商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表、ハセット国家経済会議(NEC)委員長と会談後、米政府の最終的な計画は依然不透明としながらも、導入されればEU27カ国すべてに一律に適用される見通しだと説明した。同委員はEUからの輸入品に20%の関税が発動されれば、EUに壊滅的な影響をもたらすと米政府関係者に警告したという。
ポンドドルは売りが優勢となり、1.28ドル台に下落。ポンドは対ユーロでも下落した。この日発表の2月の英消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、市場は英中銀の利下げ期待を復活させた。短期金融市場では6月の利下げ期待が急速に高まり、確率を85%程度まで高めている。
本日はリーブス英財務相が最新の予算案を発表したが、その後もポンドは軟調な展開を継続。リーブス財務相は広く予想されていた福祉予算の削減、脱税対策強化、政府運営コスト削減のための改革、財政余地の再構築するための改革を発表した。財政余地は2029/30年度までに99億ポンドまで回復するとしている。
これを受けて英予算責任局(OBR)は今年のGDP見通しを1.0%に従来から半減させている。一方、インフレ見通しは3.2%に引き上げた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

執筆者 : MINKABU PRESS
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