円高ドル高の動き広がる、株安など調整色強いマーケット=ロンドン為替概況
円高ドル高の動き広がる、株安など調整色強いマーケット=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円高ドル高の動きが広がっている。東京時間には住宅市場の過熱対応措置に発表を受けてNZドルが売られ、豪ドルも連れ安となった。日本株、アジア株は軟調に推移。その警戒ムードを引きずったままロンドン市場を迎えた。トルコ株は連日の大幅安。米株先物とともに欧州株が下落スタート。NY原油先物やブレント原油先物が大幅安に。米10年債利回りは1.63%付近へと低下。英独債券利回りも低下している。そのなかで、欧州通貨売りが強まり、特にポンドが軟調。対ドルは1.37台半ば、対円は149円台前半へと下落。ユーロドルも1.18台後半、ユーロ円は129円割れに。ドル円は、しばらく108.70-80レベルで揉み合っていたが、下放れると108.40付近へと下落している。ポンドは英雇用統計が強弱まちまちの内容が好感されて一時買われたが、すぐに売りに押し切られた。欧州と英国とのワクチン供給をめぐる摩擦など不安材料は残っている。
ドル円は108円台半ばでの取引。朝方は108.70-80レベルで揉み合っていたが、欧州株や米株先物が下落、原油相場が急落したことでリスク回避的な円買い圧力に押された。108.70割れから一時108.40近辺に安値を広げている。米10年債利回りが1.67%から1.62%台へ低下しており、ドル円相場を圧迫した面もあるようだ。
ユーロドルは1.18台後半での取引。1.1920-30での揉み合いから下放れている。1.19台を割り込むと、一時1.1880近辺まで下落した。ユーロ円は129.70近辺から下押しを開始、そのまま128.86レベルまで下落した。ただ、対ポンドでは買いが優勢で、下押しは比較的浅い。株安や原油安など調整ムードが広がっている。欧州にとっては英国とのワクチン供給をめぐる摩擦が引き続き悪材料。レーンECBチーフエコミニストは、今後数週間で継続的にPEPPを増額すると述べた。米債利回り上昇とデカップリングできるとしていた。
ポンドドルは1.37台後半での取引。1.3850近辺が重くなり、その後は一貫して下落している。1.38台割れから1.3750台へと下落。ポンド円は150円台半ばから下げ続けており、安値を149.08近辺まで広げた。ユーロポンドは0.8600-20での振幅を経て、高値を0.8645近辺に伸ばしている。序盤に発表された英ILO雇用統計では失業率が5.0%と予想外に改善したが、失業保険申請は増加に転じるなどまちまち。一時的にポンド買いの反応がみられたが、売り圧力に押し返された。英国とEUとのワクチン供給をめぐる摩擦に加えて、この日は全般に調整ムードが広がっている。ポンドにとっては特に、ブレント原油先物が急落したことが響いたようだ。その後発表された英CBI製造業受注指数は2カ月連続の改善となったが、ポンド相場の反発は鈍い。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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