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今週のまとめ3月20日から4月3日の週

為替 

 30日からの週は、ドル買いが優勢だった。新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、米国での感染者数が世界最大となるなど、中国、欧州から米国へと深刻な状況が連鎖している。日本でも東京での感染者数の増加ペースが加速しており、首都閉鎖、緊急事態宣言などが警戒されている。各国政府の対応が続くものの、コロナ感染ペースは依然として脅威だ。各国中銀の積極的な資金供給が続く中で、株式市場は再び軟調に推移している。コロナ相場初期段階でのパニック商状から着実に上値が重くなる段階に移ってきているようだ。欧州では一連の景況関連指標に新型ウイルスの影響がハッキリでた。米国においても失業保険申請が先週の記録的増加から今週はさらに倍増する事態となった。週末の米雇用統計でも雇用者数が70万人余り減少、失業率は予想以上に悪化した。今後、さらに米成長や失業者数の増加が懸念されるところだ。そのなかで、やや明るい材料となったのが原油相場の動き。中国が戦略備蓄購入を示唆したことに加えて、トランプ米大統領がサウジとロシアの仲介役を買って出ている。減産合意に向けた期待感で原油相場が急反発している。ドル買いの動きを主導したのが、ユーロドルの下落だった。ユーロドルは1.10台から1.07台へと下落。ドル円は107-109円での上下動。ポンドドルは1.24付近から1.22台へ、豪ドル/ドルは0.62近辺から0.60台割れへと軟化。


(30日)
 東京市場で、ドル円は107円台で振幅。朝方は107円台後半から108円近辺での揉み合いで始まった。その後、日本株の大幅安とともに円買いの動きが広がった。ドル円は一時107.12レベルまで下押しされた。その後は米株先物が持ち直したことを好感して、ドル円は107.80近辺へと買い戻された。週末にはトランプ大統領がニューヨーク州、ニュージャージー州、コネチカット州の一部に対して事実上の封鎖につながる検疫強化をCDCに要請。各州知事らの猛反対などで撤回という動きと新型ウイルスをめぐる動きが錯綜している。ユーロは対ドル、対円ともに売りが優勢。イタリアに次いで感染者が多いスペインが、不要不急の経済活動自体の停止を発表。ユーロ圏経済全体の深刻な状況が意識された。ユーロドルは1.11台半ばから1.10台後半へと下落。ユーロ円は120円台から一時118.86近辺まで下落。豪ドルは株高が下支えとなり、揉み合い。追加経済対策への期待が広がった。

 ロンドン市場は、神経質な値動き。ドル円は108円台前半に上昇したあと、欧州株の下落とともに反落、107.50近辺まで下押しされた。その後は、株の下げ渋りとともに108円近辺へと買い戻されている。小池都知事の会見が午後8時に開催と報じられたことで、厳しい制限措置が警戒されたが、現時点では夜のナイトクラブやライブなどへの参加を手控えるよう要請するにとどまっている。全般的にはきょうはドル売りが一服しており、ユーロドルは1.1050割れと反落。ポンドドルは一時1.2320近辺まで軟化した。ユーロ円は119円台での上下動、ポンド円は133円近辺から134円近辺での振幅。ポンドは対ユーロで売りが先行したが、その後は買い戻された。カナダドルは原油安を受けて軟調。1.40台半ばから1.41台半ばへと上昇しており、対G7通貨で独歩安となっている。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は再び108円台を回復する場面があった。週明けの原油相場が20ドルを割り込んだことや、新型ウイルス感染の拡大が依然として続いていることが、リスク回避のドル買いを呼び込んでいるようだ。トランプ大統領が4月中旬までの正常化の目標を撤回したことも懸念を強めた。月末や期末のドル買いフローの観測もあった。米短期金融市場では、6月にかけて再びドル需要が高まる可能性との見方があった。一方で、リスク資産は底との楽観的な見方があり、円安の面も。ユーロドルは1.10台前半で上値重く推移。ポンドも上値が重い。欧州での新型ウイルス感染の影響が米国よりも大きいとの見方があった。ポンドは連れ安に。新型ウイルスの影響でEUとの交渉の行方に不透明感が広がっている。

(31日)
 東京市場は、ドル円は108円台での振幅。前日のNY市場での株高を受けて、朝からアジア株が堅調な動きとなり、ドル円、クロス円が買われた。米債利回りの上昇や、時間外取引でのダウ先物の上昇もみられた。また、期末ということで仲値にかけてドル買いが一気に持ち込まれる動きとなり、ドル円は一時1087.72レベルまで買われた。この局面では、ユーロや豪ドルに対してもドル高の動きが強まり、特に豪ドルは0.62台から0.60台後半まで下落した。午後には中国株の下落をきっかけに株式市場に反落の動きが広がった。米債利回りも低下に転じた。ドル円は108.10付近まで反落、豪ドル/ドルは0.62台を回復と、大幅な往来相場となった。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。流れを主導しているのがユーロドルの下げ。ロンドン朝方の1.10台割れから一方通行で下落し、取引中盤には1.09台前半へと下押しされた。この日は3月ユーロ圏消費者物価速報が発表されており、前年比+0.7%と2月の+1.2%から伸びが大きく鈍化した。月末を控えて今週はドル高方向に流れが転じており、フロー主導のドル買いも。ドル円は108円台前半から後半へと振幅しており、東京午前の高値108.72レベルに接近する場面があった。ただ、クロス円は、その他通貨でのドル買いが優勢なことから売られている。ユーロ円は119円台割れ、豪ドル円は67円近辺から66円近辺へと下落。豪ドル/ドルは中国製造業PMIの急回復への反応が鈍く、ロンドンン市場では0.62近辺から0.61台割れへと下落している。そのなかで、ポンドは比較的堅調。対ドルでは1.23割れから1.23台後半まで反発、ポンド円も133円台前半から134円台へと買われている。対ユーロでのポンド買いフローが観測されている。欧州株は買いが先行したが、取引中盤には上昇力が鈍っている。

 NY市場では、ドル売りが優勢。ロンドン市場まではドル買いが優勢だったが、NY市場ではロンドンフィキシングを通過すると一気にドル売りが強まった。ドル需要も一段落して来たのか、これまでのリスク回避のドル高の巻き返しが出ていることも予想される。ドル円は108.70近辺に上昇して始まったが、107円台半ばまで下落した。ユーロドルは1.0930近辺に下落して始まった後、買戻しが膨らんで1.10台を回復した。ポンドも買い戻しの流れ。この日発表された10-12月の英GDPはゼロ%となった。新型ウイルス感染拡大の前に、景気が悪化していた可能性も指摘されている。ただ、全般的にはトランプ大統領の2.2兆ドルの大規模景気対策や、FRBの無制限の緩和姿勢を始めとした各国政府や中央銀行の積極策が市場を落ち着かせており、金融市場ではドルひっ迫感がひとまず緩和している。

(1日)
東京市場で、ドル円は107円台での振幅。朝方の107円台後半から107.20近辺まで下落した。トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染拡大について、当面の行動制限などの緩和策維持と、それでも少なくとも10万人以上が死亡との発言したことがリスク警戒を広げた。その後、安倍首相が緊急事態宣言は必要ない、と発言するとドル買いの転じて、107.90近辺まで買われた。午後には日経平均が下げ幅を急速に広げ、一時1000円超の下げとなると、再び107.20台まで下落した。ドル円が激しく振幅した。

 ロンドン市場は、ユーロ売りの動きが優勢。ユーロドルは1.10台前半から1.09台前半へと下落。前日NY市場での上昇を消す動きに。ユーロ円は118円台後半から117円台半ばへと一方通行で下落。対ポンドでもユーロ売りが継続している。欧州での新型ウイルス感染の深刻化が意識されたようだ。スペインでは感染者数が10万人、死亡者数が9千人を超えた。3月ユーロ圏製造業PMI確報値は下方改定されており、経済センチメントの一段の悪化が示された。欧州株は米株先物とともに下落。ドル指数は再び上昇している。その一方で、その他主要通貨は比較的落ち着いた値動き。ドル円は107円台で方向感なく上下動。ポンドドルは1.23台で下に往って来い。ポンド円も売り先行も、足元では133円台回復と下げは限定的。英製造業PMI確報値は小幅に下方改定されたが、ユーロ圏ほどの落ち込みは示していない。

 NY市場では、ドル円が一時107円台割れまで下落。米株が急落、ダウ平均が一時1100ドルを超える下落となるなかで、リスク回避の円買い下げとなったようだ。ただ、リスク回避のドル買いも根強く、下値ではサポートも。トランプ大統領はきのう、米国は非常に厳しい2週間に直面していると警告。ウイルス対策調整官のバークス氏は米国の死者数が最大20万人に達する可能性があると指摘。外出制限の継続などが懸念されている。ユーロドルは一時1.09ちょうど付近まで下落。一方で、ポンドドルは1.23台から1.24台乗せへと堅調。ソブリン系ファンドからユーロ売り・ポンド買いが出ているとの観測があった。ユーロ売りには景気対応をめぐる欧州各国の意見の相違への懸念もあるようだ。
 
(2日)
 東京市場で、ドル円は底堅い動き。前日NY市場で一時107円割れとなった後、やや戻して東京朝を迎えた。106円台での買い意欲が確認されたことで、買われている。日経平均は軟調に取引を開始したあと、午後には一時プラス圏に浮上、ドル円は107.50超えまで上昇した。しかし、引けにかけて日経平均が200円超の下落、米株先物も上げ幅を縮小。ドル円は107円台前半へと押し戻された。週末の格下げ後の売りが続く南アランドは、対ドルでの売りが続き、ドルランドは18.275と最高値(ドル高ランド安)を更新。

 ロンドン市場は、比較的値動きが落ち着いた。ドル円は107円台前半での揉み合い。ユーロはやや軟調。ポンドはやや堅調。前日と同様のパターン。ただ、リスク動向は回復しており、欧州株は序盤の上下動から次第にプラス圏での推移へ。米株先物が時間外取引で反発しており、リスク警戒感が一服した。ただ、新型コロナウイルスをめぐる状況は依然として予断を許さない。感染者数の拡大は続いており、経済活動の停滞は不可避となっている。ユーロドルは1.09台前半、ユーロ円は117円台前半へと軟化しているが、前日のNY市場からのレンジ内にとどまっている。ポンドドルは一時1.24台後半、ポンド円は133円台後半へと買いが先行も、足元では値動きは一巡している。市場ではこの後に発表される米新規失業保険申請件数が先週から一段と悪化するのかどうかを見極めたいとのムードもあるようだ。

 NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一時108円台に上昇。トランプ米大統領が、サウジとロシアの減産が期待されるとツイートしたことで、原油が急伸し、米株も買い戻しが加速、市場はリスク回避の雰囲気を一服させた。円安の面もドル円を下支えした。ユーロドルは1.08台前半へと下落し、下値を探る展開。ECBの量的緩和強化、財政出動などでy-ロ域内の意見がまとまらない点が指摘されている。来週7日のユーロ圏財務相会合の緊急ビデオ会議が注目される。ポンドドルは1.23台まで一時下落。ただ、対ユーロでは底堅い。英中銀の資産購入が始まっており、英国債に加えて、少なくとも100億ポンドの社債購入の開始を発表した。

(3日)
 東京市場は、方向性に欠ける振幅。ドル円は朝方に108.20近辺まで買われたが、その後は107円台後半へと値を戻しての揉み合い。前日海外市場では株高や原油高を受けて、買いが先行したが、その後は米株先物が時間外取引で下落、日経平均も後場には下落に転じると、上値が重くなった。ユーロドルは1.08台前半での揉み合い。NY市場で1.0820近辺を付けた後1.08台後半に反発、東京朝も1.0860台で迎えたが、すぐに1.08台前半に落としている。もっともNY市場の安値を試す動きにはならず、値動きは限定的。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米雇用統計の発表を控えて、米株先物や欧州株は売りが先行した。新型コロナ関連の報道では、引き続き明るい材料はでてこない。スペインでの感染者数は11万人を超えている。ただ、死亡者数の増加が前日よりは少なくなっていた。東京での感染者数も89人増加と警戒レベルが続いている。この日発表された欧州諸国および英国の3月非製造業PMIは、いずれも2月から記録的な急低下となっている。そのような状況下でのドル高相場とあって、再びドルへの逃避のイメージが頭をよぎる。このあとの3月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が10万人程度減少する見込みになっている。失業率も3.8%へ上昇する見込み。ドル買いはユーロやポンドで先行したあと、円や豪ドルにも波及する形だった。ドル円は108.59レベルまで上昇。ユーロドルは1.08台割れ、ポンドドルは1.23台割れ、豪ドル/ドルは0.60台割れへと下落。

 NY市場では、朝方に米雇用統計が発表になっていたが、非農業部門雇用者数(NFP)は70.1万人減と予想以上の大幅な減少となった。失業率も4.4%に悪化。ただ、市場は、既に織り込でいるのか、弱い指標自体には、いまのところ冷静な反応を示している印象。そのような中、ドル円は堅調な流れを維持しており、108円台半ばでの推移。200日線が108.35付近に来ているが、その水準を上回って来ている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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