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2020年6月までの資源・新興国通貨の展望~多くの懸念材料を抱えるトルコリラ~

達人の予想 

豪ドル/円

豪ドル/円は今週(2/24- )、約4カ月ぶりの安値を記録しました。新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避の動きやRBA(豪中銀)の利下げ観測が、豪ドル/円に対する下押し圧力となりました。

新型ウイルスの感染がいつ収束するのかが豪ドル/円の鍵を握るとみられます。新型ウイルス感染拡大がどこまで広がり、またそれが世界経済にどの程度影響を与えるのかが不透明な状況では、豪ドル/円には引き続き下押し圧力が加わりやすいとみられます。新型ウイルスの感染拡大を受けて、RBAは豪景気の下支えに向けて4月にも追加利下げに踏み切るかもしれません。

<注目点・イベントなど>
・RBAの金融政策
・投資家のリスク意識の変化
・新型コロナウイルスの感染はいつ収束するか

NZドル/円

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場ではRBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が高まっています。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む3月25日の次回会合で利下げが行われる確率は4割強です(日本時間2/28午前10時45分時点)。利下げ観測がNZドル/円の上値を抑えそうです。

NZドル/円はまた、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります(リスク回避は、NZドル/円の下落要因)。新型コロナウイルスの感染拡大の状況にも目を向ける必要があります。

<注目点・イベントなど>
・RBNZの金融政策
・投資家のリスク意識の変化
・新型コロナウイルスの感染はいつ収束するか

カナダドル/円

原油価格の代表的な指標である米WTI先物は今週(2/24- )、2019年1月初め以来の安値を記録。“新型コロナウイルスの感染拡大によって世界的に原油需要が減退する”との懸念が要因です。資源国通貨であるカナダドルにとって、原油価格の下落はマイナス材料です。原油価格がカナダドルの動向に大きな影響を与えそうです。

原油安を背景に市場ではBOC(カナダ中銀)の利下げ観測が高まっています。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場は4月までに利下げが行われる確率をほぼ100%織り込んでいます(日本時間2/28午前9時時点)。

BOCが利下げすればカナダドルは下押すとみられるものの、主要国中銀におけるBOCの政策金利水準の相対的な優位性は維持されると考えられます。そのことが市場で意識されれば、カナダドルの下落は一時的の可能性があります。

<注目点・イベントなど>
・BOCの金融政策
・原油価格の動向

トルコリラ/円

トルコリラ/円は今週(2/24- )、約6カ月ぶりの安値を記録しました。新型コロナウイルスの感染拡大に加え、シリア情勢をめぐる懸念が、リラ/円下落の要因です。

シリア情勢については、エルドアン・トルコ大統領はアサド政権に対し、2月末までにイドリブ県(シリア北西部)に設けられたトルコの停戦監視所の外側(アサド政権側)へと撤退するように要求。撤退しない場合には軍事作戦を開始すると警告しており、両者の緊張が高まっています。今後、トルコ軍とアサド政権軍が本格的な戦闘状態に陥るようなことになれば、トルコリラにはさらに下押し圧力が加わりそうです。

シリア情勢だけでなく、トルコリラにはS400(ロシア製地対空ミサイル)導入問題やリビア情勢など多くの懸念材料があります。それらの懸念材料が解消されない限り、リラ/円が持続的に上昇をするのは難しいかもしれません。

<注目点・イベントなど>
・シリア情勢
・リビア情勢
・TCMBの金融政策
・S400導入問題。米国の対トルコ制裁発動の有無

南アフリカランド/円

米格付け会社のムーディーズが3月27日に南アフリカの格付けを発表する予定です。ムーディーズにおける南アフリカの格付け(外貨建て長期債務)は投資適格級最低の“Baa3”。ムーディーズが格下げすれば、3大格付け会社すべてで南アフリカの格付けはジャンク(投機的等級)となります。そうなれば、南アフリカから資金流出が起こり、南アフリカランド/円に対して下押し圧力が加わる可能性があります。

<注目点・イベントなど>
・ムーディーズが南アフリカを格下げするかどうか
・エスコム(国営電力会社)の経営問題。エスコムはたびたび計画停電を実施
・投資家のリスク意識の変化

メキシコペソ/円

メキシコペソ/円は先週(2/17- )、一時約1年4カ月ぶりの高値を記録しました。(1)USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)は発効に近づいていること(あとはカナダの批准待ち)、(2)BOM(メキシコ中銀)の政策金利の水準は米FRBなど主要国中銀と比較して高いこと、(3)メキシコの実質金利(政策金利から前年比のCPI上昇率を引いたもの)は新興国の中で有利な状況であること、それらが主な要因と考えられます。

ペソ/円は2月20日以降下落しています。その要因として、新型コロナウイルスが世界経済に大きな打撃を与えるとの懸念から、リスク回避の動きが強まっていることが挙げられます。リスク回避は円高圧力を強めると同時に、新興国通貨であるメキシコペソにとってマイナス材料です。新型コロナウイルスをめぐる懸念がある状況では、ペソ/円は上値が重い展開が続きそうです。

ただし、新型コロナウイルスをめぐる懸念が後退すれば、BOMの政策金利水準の高さなどのプラス材料が市場で改めて意識されてペソ/円は上昇傾向を回復するとみられます。

<注目点・イベントなど>
・新型コロナウイルスの感染はいつ収束するか
・カナダのUSMCA批准手続きの状況
・BOMの利下げペース
・トランプ米大統領の言動

豪ドル/米ドル

新型ウイルス感染拡大がどこまで広がり、またそれが世界経済にどの程度影響を与えるのかが不透明な状況では、豪ドル/米ドルには下押し圧力が加わりやすいとみられます。

市場では、RBA(豪中銀)の利下げ観測がある一方、米FRBの利下げ観測もあります。FRBの利下げの方が市場で強く意識されれば、豪ドル/米ドルの下支え要因となり得ます。

<注目点・イベントなど>
・RBAと米FRBの金融政策
・投資家のリスク意識の変化
・新型コロナウイルスの感染はいつ収束するか

NZドル/米ドル

NZドルには、投資家のリスク意識の変化を反映しやすいという特徴があります。リスク回避の動きが続く場合、NZドル/米ドルは上値が重い展開になりそうです。

市場ではRBNZ(NZ中銀)の利下げ観測がある一方、米FRBの利下げ観測もあります。豪ドル/米ドルと同様、FRBの利下げの方が市場で強く意識されれば、NZドル/米ドルの支援材料となりそうです。

<注目点・イベントなど>
・RBNZと米FRBの金融政策
・投資家のリスク意識の変化
・新型コロナウイルスの感染はいつ収束するか

執筆者 八代 和也

執筆者 : 八代 和也|マネ―スクエア シニアアナリスト

マネースクエア シニアアナリスト。資源・新興国通貨を中心に分析し、マネースクエアのWEBサイトにてレポート(「ウィークリー・アウトルック」、「デイリー・フラッシュ」など)配信のほか、動画コンテンツ「M2TV」出演、セミナー講師を務めている。

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