ドル円111円台前半、欧州にも新型ウイルス感染拡大で円買い優勢=ロンドン為替概況
ドル円111円台前半、欧州にも新型ウイルス感染拡大で円買い優勢=ロンドン為替概況
24日のロンドン市場では、円買いが優勢になっている。先週後半は新型ウイルス感染拡大が韓国や日本に及んだことを受けて、円売りやアジア売りの動きが広がったが、週末にはイタリアにも感染拡大の広がりが報道され、きょうは4人目の死亡が確認されている。週明けの欧州株や米株先物は大幅安となっており、米債など主要国の債券利回りが低下、NY原油先物が大幅安など全面的なリスク回避相場となっている。特に、感染が報じられたイタリアでは株安に加えてイタリア債も売られている。イタリア売り商状となっている。ドル円は111円台半ばから前半へ、ユーロ円は120円台後半から前半へ、ポンド円は144円台半ばから143円台半ば割れへと下落している。ポンドの下落が大きめ。この日発表された独Ifo景況感指数は予想外に改善した。ユーロの下げの鈍さに寄与したようだ。ただ、Ifoエコノミストは、まだ感染リスクが完全には反映されていないと警鐘を鳴らしていた。
ドル円は111円台前半での取引。週末の新型ウイルス感染拡大の報道を受けてオセアニア早朝に111.22レベルまで急落した。その後は値を戻して111.68レベルまで買われた。ロンドン市場は111.60近辺からスタートしたが、欧州株や米株先物の急落を受けてクロス円とともに売られ、足元では安値を111.20レベルまで広げている。先週後半は日本売りやアジア売りの動きが強まったが、週末にはイタリアでも感染死亡者が報じられており、世界的なリスク回避の動きに転じているようだ。
ユーロドルは1.08台前半での取引。週明けのオセアニア市場の取引開始時の1.0850レベルを高値に、その後は1.08台前半での取引に終始している。ロンドン朝方に1.0805レベルまで下押しされたあとは、米債利回りの低下とともに1.0840近辺まで反発。したし、ユーロ円などの売りが上値を抑えての揉み合いとなっている。ユーロ円はオセアニア市場でつけた120.26レベルを安値にその後は121円台乗せまで反発したが、アジア午後には120円台後半に落ち着いた。ロンドン市場では欧州株が急落しており、ドル円とともに120.30近辺へと再び軟化している。この日発表された2月の独Ifo景況感指数は96.1と予想外に改善した。ユーロの下げの鈍さに寄与したようだ。ただ、Ifoエコノミストは、まだ感染リスクが完全には反映されていないと警鐘を鳴らしていた。
ポンドドルは1.29近辺での取引。オセアニア市場での下げは限定的で、アジア市場では1.2950を挟んだ揉み合いが続いた。しかし、ロンドン市場では売りが強まり、1.29台を割り込んで、一時1.2887レベルまで安値を広げた。ポンド円は144円台半ばから143.38レベルまで1円超の下落となった。対ユーロでもポンドは軟調だった。この日は特段の英経済指標は発表されていないが、英国債利回りの低下やNY原油先物の大幅安などが重石となったもよう。
MINKABU PRESS 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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