【これからの見通し】ドル円は手掛かり難に、パウエル議長証言2回目はどうか
【これからの見通し】ドル円は手掛かり難に、パウエル議長証言2回目はどうか
ドル円は110円近辺での売り注文に上値を抑えられるパターンが続いている。直近の高値は7日につけた110.02レベルで、その後はなかなか110円台に乗せられない。輸出やオプション関連の注文が取りざたされている。機関投資家からのヘッジ予約もありそうだ。
また、昨日はポンドドルが1.29台割れから1.29台後半へと反発した。英GDP速報値(第4四半期)は前期比横ばいと低迷したが、マイナス成長は免れた。前月比データはプラスに転換。さらに、12月の英商品貿易収支は8.45億ポンドの黒字となった。これは、比較可能なデータとしては1997年以来初の黒字。事前予想が100億ポンドの赤字だっただけに、サプライズの結果だったといえよう。ユーロドルも1.09台割れでは買いが入り、安値圏で一進一退となっている。ドル指数が7営業日ぶりに反落しており、ドル円の上値を抑える一因となっていた。
経済指標発表は、ユーロ圏鉱工業生産(12月)、南アフリカ小売売上高(12月)、インド鉱工業生産(12月)、ブラジル小売売上高(12月)、米MBA住宅ローン申請指数(7日までの週)など。ドル相場自体にはあまりインパクトがなさそうだ。
金融当局者発言では、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で議会証言を行う。レーンECBチーフ・エコノミスト、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演が予定されている。その他イベントとしては、米週間石油在庫統計が発表される。米10年債入札(270億ドル)が実施される。パウエル議長の証言は昨日に続くもので、新規材料はでにくいものとみられる。ハーカー総裁の経済見通しの方が注目されるかもしれない。
きょうはドル円相場にとっては、やや手掛かり難となりそうだ。
MINKABU PRESS 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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