円高が後退、新型肺炎に対する警戒感の高まりは一服=東京為替概況
22日の東京為替市場でドル円は底堅く推移。昨日のニューヨーク市場で109.76円付近まで下げた後、110円前半まで切り返した。
中国の武漢から新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大し、春節の大移動に伴ってさらに蔓延することが警戒されている一方で、過剰に警戒感は拡大しておらず、円高に調整が入った。中国国家衛生健康委員会は中国国内で21日までに440人の感染が確認され、9人が死亡したと発表したものの、感染拡大を早期に封じ込めようとしていることも、不安を抑制している。
来週、米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることはドル円を下支え。第1弾の米中通商合意が正式に成立した後であり、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で従来よりも悲観的な景気見通しを示すことは少なくともなさそうだ。
ユーロ円は121円後半でニューヨーク時間帯の下げが一服も、戻りは限定的。欧州中央銀行(ECB)のラガルド新総裁が明日の理事会で金融政策戦略の見直しに言及する見通しであり、模様眺めムードが広がりつつある。ユーロドルは1.10ドル後半でもみ合い。
ポンド円は143円半ば、ポンドドルは1.30ドル半ばの見慣れた水準で推移。来週に英金融政策委員会(MPC)を控えているが、思惑交じりの動きはみられない。
豪ドル円は75.03円付近まで軟化した後に切り返した。豪州でも新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されていることが豪ドルの重しとなっているものの、ドル円がしっかりと推移したことが豪ドル円を下支えしている。
昨年末で上げが一服したNZドル円は72円半ばで推移。今週は昨年10-12月期のNZ消費者物価指数(CPI)が焦点。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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