「いい押しが入った」…!? - ドル円
◆ “リスク回避姿勢”に揺り戻し - 新型コロナウィルス
※ご注意:予想期間は1月23日と表示されていますが、本日(1月22日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
想定通り「日銀金融政策決定会合」「ダボス会議」では、動くことはありませんでした。
しかし「株価動向を睨みながら…」が、昨日は足を引っ張りました。
「新型コロナウィルス」が懸念として台頭し、上海・シンガポール株は下落、香港株は急落しました。
マーケットは“リスク回避姿勢”へと揺り戻され、日経平均は4営業日ぶりに反落、そしてドル円は“109.759円”へと値を落としました。
◆ しかし状況は「何ら変わっていない」…
「春節(中国休場:24日~)」を控えていることを考えれば、“感染拡大→世界的な景気減速”が意識されたのは“無理からぬ”ところかもしれません。
しかしそれでマーケットがパニックに陥った「SARS禍(2002-03年)の再来」と騒ぎ立てるのは、やはり“時期尚早”と見るのが自然です。
現に“これまでのネックライン(109.70円水準)”と重なる“200週移動平均線(本日は109.677円)”は割り込んでおらず、「国内輸入筋のドル買いオーダー」も厚みを増しつつあります。
…となれば、昨日の下落(特に香港株)は「春節前のポジション調整」と見るのが自然であり、これに「仕掛け的なドル売りが重なった」と見るのが妥当ということになります。
つまり昨日の動きだけで“頭打ち→さらなる下値追い”を期待するのは、いささか“過剰反応”ということになります。
これまで鈍感だった“ネガティブ要因”に反応したことは少し気になりますが、前記メドを割り込むまでは「いい押しが入った(押し目買いチャンス)」と見ながら、ことの成り行きを見極めたいところです。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:110.594(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:110.362(5/23高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:110.288(1/17高値、1/21高値、50月移動平均線)
上値2:110.133(ピボット1stレジスタンス、1/17~1/21の61.8%戻し)
上値1:110.040(+1σ、大台、20月移動平均線、1/17~1/21の50%戻し)
前営業日終値:109.859(日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値1:109.759(1/21安値)
下値2:109.677(200/100週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:109.433(1/10-13安値、20日移動平均線、月足・一目均衡表基準線、ピボット2ndサポート)
下値4:109.281(1/8~1/17の38.2%押し)
下値5:109.156(50日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
執筆者 : 武市佳史|株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト。日本におけるFXの草創期より業務に従事。現在は週刊為替コラム「武市のなぜなにFX」の執筆やWebセミナー講師を務めるのみならず、日経CNBCを始めとする数々のメディアに出演・寄稿中。