とれんど捕物帳 売る明確なエビデンスもないが、買う気にもなれない
今週のドル円は、前半こそ戻り売りが優勢となり107円を割り込む場面があったものの結局、一時的な動きに留まっている。FOMCやECB理事会といったイベントを通過し、9月末に向けてポジション調整が出たのかもしれない。米中貿易問題やトランプ大統領の弾劾に絡んだ小ネタに相場も敏感に反応していたが、基本的にはイベント通過後の様子見モードの週だったように思われる。
市場も方向感が非常に見えにくくなっており、先週のFOMCがその最たるものだったように思われる。予想通り利下げは実施したものの、今後の追加利下げに関しては玉虫色だ。FOMCメンバーの金利見通し(ドット・チャート)は中央値だけを見れば、追加利下げを見込んでいない。市場の反応は限定的であったが、恐らく結果自体はサプライズであったであろう。しかし、FOMCメンバーの予想のばらつきを見ると完全に二分しており、追加利下げへの期待感を高めている市場の結果自体に対する反応は鈍かった印象だ。
FRBも先行きが見えなくなっているのであろうか。足元の指標を見ると雇用や個人消費を中心に堅調な米経済が示されている。インフレは少し伸びが鈍化傾向を見せているものの、目標の2%から大きく下方乖離している状況ではない。ただ、市場は米国債を中心に先行きの不透明感を強めており、イールドカーブは逆イールドが示現している。景気後退の確率を高めており、米大手金融機関の四半期調査では40%程度まで市場は高めているようだ。
FRBは利下げを行う明確なエビデンスがない中、貿易問題と世界経済の減速による米経済への影響を理由に保険的な利下げを実施している。ただ、この先本当に景気後退に陥ったときの緩和余力も考慮すれば、現時点でこのまま利下げを続けてよいのか迷うところなのかもしれない。市場もその雰囲気を反映しているのか、売る明確なエビデンスもないが、買う気にもなれない状況なのかもしれない。
さて来週だが、週途中から10月相場に入る。昨年の10月相場は景気後退への懸念が高まり、年末にかけてリスク回避の雰囲気が極度に強まった。今年はどうなるのか注目されるところではある。
上記のように方向感がない状況下であれば、この局面は触らないのが一番と言いたいところではある。目先は10月前半にも行われるとされている閣僚級の米中貿易協議を巡って市場は神経質になりそうだ。10月末の英EU離脱を巡っての動きも気掛かりなところではある。ドル円は戻り売りに押される局面もあるものと予想するが、下値での押し目買いから21日線を堅持できるようであれば、109円台前半に来ている200日線を試しに行くシナリオもありそうだ。いずれにしろ、リバウンド相場の踊り場に来ており、次の流れを見極める週になりそうで慎重さが必要と思われる。
経済指標も数多く発表され、週末には米雇用統計も発表されるが、個人的には1日に発表されるISM製造業景気指数に注目している。前回は景気判断の目安となっている50を下回り、市場にはネガティブな雰囲気が強まった。貿易問題や世界経済の減速から米製造業のセンチメントは良くない。現時点での予想は50.5と景気判断の目安は回復が見込まれているが、再び50を下回る結果となれば、ドル円もネガティブ反応が出そうだ。リスクとして意識して置きたいところではある。
想定レンジとしては107.00~109.00円を想定。スタンスは「中立」とする。
()は前週
◆ドル円(USD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 →(↑↑)
◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓(↑↑)
◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑(↑↑)
◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓(↑↑)
◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)
◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。





