中東発地政学リスクを警戒、円買い・ドル買いに=ロンドン為替概況
中東発地政学リスクを警戒、円買い・ドル買いに=ロンドン為替概況
16日のロンドン市場は、円買い・ドル買いとリスク回避の動きが優勢。14日にサウジ石油施設がドローンによる攻撃を受け、生産能力に多大な影響を与えている。週明けのオセアニア市場では供給不安から原油相場が急騰した。足元では一段高の動きは一服しているが、欧州株安などリスク回避の動きがみられている。 ドル円は週明けオセアニア市場で107.46レベルまで急落したあと、反発しているが、108円には戻しきれず。足元では107.70-80レベルと再び上値が重くなっている。ユーロ円は119円割れ、ポンド円も一時134円台を割り込んだ。米債利回りが低下するなかで、ユーロドルは1.10台前半、ポンドドルは1.24台前半へと軟化しており、金利にらみよりもリスク回避圧力がまさっている。ユーロにとっては先週のECB理事会での大規模緩和策を受けた売り圧力が再燃している面もあるようだ。
ドル円は107円台後半での取引。中東発の地政学リスクで円買い圧力が優勢。14日にサウジ石油施設がドローンによる攻撃を受け、生産能力に多大な影響を与えている。イエメン反政府組織が犯行声明を発表したが、米国エネルギー長官は、イランに責任があると発言。今後の地政学リスクの高まるが警戒されている。原油相場が急騰しており、その経済的な影響についてもまだ不透明だ。ドル円はオセアニア早朝に108円台から一気に107.46レベルまで急落。その後は買い戻しが入ったが、108円台には戻しきれず。ロンドン市場では再び107.70-80レベルへと軟化している。
ユーロドルは1.10台前半での取引。この日は目立った経済統計発表に欠けており、もっぱら中東発の地政学リスク動向に目が向けられているようだ。欧州株が下落、米債利回り低下などリスク回避の動きが広がっている。ユーロドルは1.1070-80レベルから1.1030台へと下落している。ユーロ円は119円台半ばから再び119円台を割り込んでいる。オセアニア早朝の安値付近へと再び下落。ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁はインタビューで「ECBの刺激策が必要、ラガルド次期総裁は刺激策を維持するだろう」と述べており、ECBの大規模緩和路線を支持する姿勢を示している。先週のECB理事会の緩和策についてはドイツなどからQE再開に難色を示す意見が報じられていた。
ポンドドルは1.24台半ばでの取引。ロンドン序盤に1.24台後半から1.2426レベルまで下落した。その後は下げ一服となっているが、戻りは1.2460近辺までと限定的。ポンド円はリスク回避ムードのなかで134円台半ばから一時134円台割れへと下落した。対ドルと同様に反発力は鈍い。この日はジョンソン英首相がユンケルEU委員長とブリュッセルで昼食会談を行う。現時点では目新しいニュースは報じられていない。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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