米債利回り低下や人民元安などが重石で、午前にドル円は値を落とす=東京為替概況
29日の東京市場でドル円は午前中に106円台から105円80銭台に値を落とし、午後は105円台でのもみあいとなった。前日のNY市場で米株高などを好感して106円20銭台まで上昇。調整の動きもあって東京早朝に106円割れが見られるも、朝方はドル高円安の動きがやや優勢で、106円13銭を付ける動きに。日経平均の寄り付きも小幅高と、リスク警戒後退の動きが見られた。
しかし、逆イールドが続く米長期債利回りの低下傾向が収まらず、米10年債は1.4425%まで。米30年債は1.9183%まで値を落とすという流れに。NY市場でやや緩んだ逆イールドが厳しくなる状況を受けてドル売り円買いの動きが強まり、ドル円は105円80銭台で値を落とす展開となった。
中国人民元の下落もリスク警戒につながった。ドル人民元は2008年3月以来となる7.17元台までドル高元安が進行。元安が止まらない状況に対する警戒感が広がり、リスク警戒の円買いにつながった。
午後に入ると動きは落ち着いたものの、債券利回りは低い水準でもみ合い、人民元も大きくは戻せず軟調地合い継続が意識という流れ。ドル円は105円80銭台を中心といた値動きが続いた。
イタリアの政局懸念が重石となるユーロはユーロ売りとドル売りで相殺されて、動きが見られず。朝からのレンジはわずか10ポイント。
昨日、ジョンソン首相が英議会を9月9日の週(12日予定・変更有)から10月13日まで閉会することを決めたことで一時売りが出たポンドは、1.22台での推移。NY市場で安値から戻した後はもみ合いが続いている。ジョンソン氏の対応への批判が見られるが、もともと10月7日までは閉会予定であり、市場の反応は限定的に。
minkabu PRESS編集部 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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