明日のFOMC待ちの雰囲気が強い中でドル円は下げ渋る=NY為替概況
きょうのNY為替市場でドル円は下げ渋る動きが出ており、108.70円近辺まで戻す場面が見られた。この日発表になった7月の米消費者信頼感指数が135.7と予想を大きく上回ったことでドル買いの反応が見られ、ドル円はサポートされている。米株や米国債利回りが下げ幅を縮小していることもフォロー。
ただ、前日は109円手前まで買い戻されたものの、109円に到達することなく伸び悩んでいる。109円ちょうど付近での売り圧力が強い。本邦勢の売りオーダーも観測されているようだ。トランプ大統領が「中国が米農産物を購入する気配はない。中国の問題点は、約束を果たさないことだ」とツイートしたことも上値を圧迫していた模様。
全体的には明日のFOMCの結果待ちの雰囲気が強い。目先の下値サポートは21日線が108.20円付近に来ており意識される。
ユーロドルは1.11ドル台前半まで下落していたものの買い戻しが出ており、1.1160ドル近辺まで上昇。NY時間の朝方に発表された7月のドイツ消費者物価指数(HICP)速報値が前月比で予想を上回ったことから、買い戻しが出ている。
先週のECB理事会以降、1.11ドル割れを試す動きも見られるものの、いすれもサポートされ1.11ドル台は維持されている。1.11ドルちょうど付近に強い下値抵抗がある模様。ただ、短期筋のショートカバーが中心と思われ、積極的に買い戻しを強める動きまでには至っていない。9月に打ち出されると見られているECBの追加緩和策を巡ってユーロの上値は依然として重そうだ。
きょうは欧州委員会が7月のユーロ景況感指数を発表していたが、102.7と2015年6月以来の低水準となっていた。これは企業と消費者への調査に基づき算出しているが、両者のモメンタムの弱さが浮き彫りになっている。現在、市場では9月と12月にそれぞれ0.1%づつ年内2回の利下げと、金利階層化、そして、月間300億ユーロ規模の資産購入再開との見方も出ている。ただ、指標悪化が続くようであれば、更に見通しが拡大して来る可能性もありそうだ。
きょうもポンド売りが止まらず、ポンドドルは東京時間に一時1.2120ドル近辺まで下落していた。投機筋が対円で売りを強めていたようで、ポンド円も一時131.60円近辺まで下落。ロンドン時間に入って下げ渋っているものの上値は依然として重い。
ジョンソン英首相が強硬姿勢を堅持しており、EUに対して離脱協定の再交渉を求めている。また、それと並行して「合意なき離脱」の準備を進めるともしている。首相はバックストップ案の削除を求めており、それはEU側も到底呑めない条件のようだ。ジョンソン首相誕生以降、市場は「合意無き離脱」のリスクを更に高めており、ポンド売りが続いている。
さすがにポンド下落に過熱感も出ているものの下値模索は止まらず、心理的節目の1.20ドルを試しそうな気配だ。国民投票後の2016年10月の安値が1.1840ドル付近にあるが、これを試しに行くとの見方も聞かれる。この5年間、8月のポンド相場はいずれも下落している。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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執筆者 : MINKABU PRESS
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