【これからの見通し】ドル高水準での揉み合い、あすのパウエルFRB議長議会証言控えて
【これからの見通し】ドル高水準での揉み合い、あすのパウエルFRB議長議会証言控えて
この後の海外市場では、米雇用統計以降のドル高水準での揉み合いが続きそうだ。米雇用増が予想外の強い数字となったことで、市場の7月FOMCでの0.5%の利下げ見通しが大幅に後退した。米債利回りの上昇とともに、ドル相場も反発している。ただ、ドル指数の動きは足元で鈍っている。米雇用統計直後に一気にドル高が進行したあとは、今週に入ってからは上値を広げる動きは限定的になっている。
ドル円相場にとっては109円台乗せが一つのポイントとなりそうだ。5月13日の安値109.02レベルを5月31日に割り込んだあと、6月25日に106.78レベルの安値をつけた。現在は108円台後半で推移しており、ジリジリと109円に接近する動きとなっている。一目均衡表の雲が109円台前半に下がってきており、109円台乗せが定着するのかどうかの見極めとなろう。
また、欧州通貨の動向も気になるところ。ユーロドルは1.12台割れ、ポンドドルは1.25台割れを試す動きとなっており、明日のパウエルFRB議長の議会証言を控えて、短期筋のポジション調整が進む可能性もある。ただ、本格的な動きは証言待ちとなりそうだ。ストップ注文一巡後は戻しも入る展開が想定される。
この後の海外市場では、カナダ住宅着工件数(6月)、カナダ住宅建設許可(5月)などカナダ関連の経済指標が予定されている。英米欧などの重要指標発表は予定されていない。欧州市場にとっては、ECB当局者らの講演予定が注目されそうだ。ビスコ伊中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、レーンECB理事などの講演やイベントが予定されている。
米国でも金融当局者の講演予定が多い。パウエルFRB議長、ブラード・セントルイス連銀総裁、クオールズFRB副議長、ボスティック・アトランタ連銀総裁などの講演やイベント参加が予定されている。ただ、パウエル議長は銀行ストレステスト関連の話題となっており、事前に収録したビデオでのあいさつとなるようだ。あすの議会証言までは金融政策関連の発言は手控えられそうだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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