ドル円は154円台に戻す 米PPIを受け米利上げ期待が高まる=NY為替概況
ドル円は154円台に戻す 米PPIを受け米利上げ期待が高まる=NY為替概況
きょうのNY為替市場、この日の米生産者物価指数(PPI)を受けてドル高が強まり、ドル円も154.65円付近まで一時上昇。今回のPPIを受けて市場ではFRBの利上げ期待がさらに高まっており、短期金融市場では来週のFOMCでの利上げ確率を発表前の60%から70%程度まで上昇している。
原油高も継続し、WTI先物も100ドルを突破。中東情勢激化による供給懸念がインフレ圧力を強め、金利の高止まりに繋がるとの警戒感が引き続き強い。
サウジがOPEC事務局に8月の原油生産量が再び急減し、1990年以来の低水準となったと報告。米国とイランの戦闘再激化によって同国の原油輸送ルートが圧迫され、中東の主要産油国への影響が一段と広がっている。明日はより注目度の高い8月の米消費者物価指数(CPI)が控えており、CPIも利上げ期待をさらに強めるか注目される。
ドル円は4日ぶりに上昇。ただ、今週のレンジ152.89ー156.28円の範囲内には留まっており、テクニカル面では引き続き下向きの流れが優勢。また、日足ベースの主要移動平均線を大きく下回るなど、下向きの地合いが確認されている。
21日線大きく下回り、ボリンジャーバンド下限付近での推移が続く。過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは30を下回り売られ過ぎ圏にあることから短期的な自律反発の余地はあるものの、現時点でトレンド転換を示すには至っていない。
目先の上値抵抗は155円だが、これを上抜けても、21日線が位置する158円が強い上値抵抗として意識される。一方、153円が最初のサポートとして意識されるが、週足終値で153.30円を明確に割り込めば下落基調が一段と強まり、今週安値の152.90円を試す展開が警戒される。
ユーロドルは狭い範囲ながらも下に往って来いの展開。この日の米PPIを受けて1.15ドル台に一旦下落したが、その後にECB理事会やラガルド総裁の会見を受けて、1.16ドル台に買い戻される展開。一方、円高が一服する中、ユーロ円は一時179円台半ばに上昇する場面が見られた。
ECB理事会は予想以上にタカ派な雰囲気となり、追加利上げの可能性を広げる内容となった。政策金利は予想通りに0.25%の利上げを実施。声明では、インフレはしばらく2%目標を上回る可能性を示し、先行きは依然として極めて不透明だとしている。インフレには上振れリスク、成長には下振れリスクがあるとも述べた。新たな経済見通しも公表し、インフレ見通しについて、今年は平均3.0%となった後、27年に2.5%、28年に2.1%へ鈍化すると予測している。
ラガルド総裁は会見で、今回の利上げは「迷う余地のない判断」で、全会一致で決定したと説明。今後の政策対応については「毎回の会合で判断する」と述べていた。一部報道では、ECB当局者が10月の利上げもあり得ると見込んでいるとも伝わり、短期金融市場では10月利上げの確率を95%まで高めている。
ポンドドルは一時1.34ドル台に下落したものの、1.35ドル台に戻す展開。底堅さは堅持しているものの、21日線の下での推移が続いており、次第に上値が重くなってきている。一方、ポンド円は208円台後半に上昇。円高の動きが一服しており、ポンド円も下げは一服。
原油高に伴うインフレ懸念で英国債利回りが高止まりする中、英政府が10月28日の予算案で増税や歳出削減、あるいはその両方を迫られる可能性があるとの指摘が出ている。
英中銀については、来週の政策委員会(MPC)で据え置きの公算が大きいものの、中東情勢の再緊迫化を受けて、政策姿勢がより慎重になるとの見方も出ている。エネルギー価格の上昇が長期化すれば、物価や賃金への二次的波及リスクが高まることを政策当局者は以前から警戒している。本日のECB理事会はタカ派な雰囲気が広がっていたが、英中銀も追随する可能性も指摘されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。