ドル円、153円台に再び伸び悩む展開=NY為替
その後、米生産者物価指数(PPI)を受けたドル高は一服しており、ドル円も153円台に再び伸び悩む展開となっている。ドル円は一時154.65円付近まで上昇したものの、155円台回復を試す動きまでは見られていない。
月初からの急速な円高の一服感も出ているものの、基調は維持されている。ただ、来週の日銀決定会合を前に市場では既に利上げを相当程度織り込んでおり、一段と円を買い進む動きも限られている状況。本日は日銀の増審議委員が講演を行い、来週の日銀の利上げ観測を後押しする内容を示した。円は若干買われたものの、発言内容は市場にとって聞き慣れた論点が中心で反応は限定的に留まっている。
それでも、年前半に日銀当局者の発言をきっかけに円売りが強まった局面とは異なり、足元では投資家が円に対してより前向きな姿勢を強めていることもうかがえる。
ただ、こうした円高基調が続くかどうかは来週の日銀会合と植田総裁の発言がポイントの1つ。市場参加者が期待しているのは利上げを支持する全会一致の採決と、植田総裁によるタカ派な方針転換だが、いずれも確実とは言えない。円は月初来で約4%上昇し、2月以来の高値を付けているだけに、ここからさらに円高が進むには、既にタカ派的な市場の利上げ期待を上回るサプライズが必要との指摘も出ている。
また、GPIFによる国内資産への資金シフトを巡る期待にも慎重な見方がある。一部からは、市場はGPIFの資産配分変更による円買い効果を過大評価している可能性があり、実際に大きな資金シフトが確認されなければ、足元の円高が反転するリスクもあるという。また、日米金利差や日本株のリスクプレミアム、高市政権の政策を巡る懸念、構造的な円売り需給といった円の下押し要因に依然大きな変化はない。
このため市場では、日銀の利上げペース加速やGPIFの国内資金シフトが期待通りに実現しなければ、円高が巻き戻され、ドル円が再び160円方向を目指す可能性もあるという。
ただ、ドル円はこれまで重要なサポートとして機能してきた155円を既に下回り、本日の動きを見た限りでは上値レジスタンスに変化している模様。来週の日銀会合までは円高警戒が続きやすい状況ではある。
USD/JPY 154.01 EUR/JPY 178.92
GBP/JPY 208.18 AUD/JPY 110.35
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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