【これからの見通し】ドル高方向への動き限定的、市場は中東情勢の好転に期待も
【これからの見通し】ドル高方向への動き限定的、市場は中東情勢の好転に期待も
市場は引き続き中東情勢を注視している。なかでもトランプ米大統領発言に一喜一憂している状況だ。対イランとの心理戦で、脅しと緩和を織り交ぜて妥協点をさぐるいわゆる「TACO取引」の手法がみられている。これは、関税戦争でしばしば指摘されたやり方だ。しかし、今回は実際の戦争である。イラン側は交渉のテーブルにすらついていないと強硬姿勢を崩していない。
市場の反応はどうか。昨日の「イランの発電所やエネルギーインフラへの軍事攻撃を5日間延期するよう米国防総省に指示した」との自身のSNSへの投稿が、原油相場の急落(NY原油先物は100ドル割れから一時84ドル台まで下落)とともに、有事ドル買いの巻き戻しのドル売りが強まった経緯がある。ドル円は報道を受けて159円台半ばから一気に158円台前半まで急落した。その後も上値は抑えられ、NY午後には158.02
レベルと大台割れ寸前まで安値を広げた。その後は買い戻しの流れとなっており、本日の東京午後には158.80近くまで反発。しかし、昨日のトランプ発言前の159円台半ばに戻すような勢いはみられていない。
中東情勢は依然として当事国が周辺地域を巻き込んだ報復攻撃の応酬となっている。ただ、市場のドル買い反応に鈍さをみると、短期的にはドル買いポジションが蓄積してきた可能性が指摘されよう。パキスタン・トルコ・エジプトなどが仲介して米国・イスラエルとイランとの停戦合意に向けた動きを始めているとの報道もある。足元では、好材料に反応しやすい地合いとなっている面もありそうだ。
市場ではトランプ米大統領が原油相場や株式相場を気にしているとの声が多くなっている。NY市場が本格的に開始する前の日本時間20時から21時あたりの発言を発信する可能性があり、引き続き注意しておきたい時間帯だ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国・米国などのPMI速報値(3月)、米非農業部門労働生産性指数・確報値(第4四半期)、米リッチモンド連銀製造業指数(3月)などが予定されている。3月PMI速報値で各国の景況感を確認しておきたい。
発言イベント関連では、コッハー・オーストリア中銀総裁がオーストリア中銀年次報告を公表、スレイペン・オランダ中銀総裁がオランダ中銀年次報告を公表、チポローネECB理事が欧州議会経済通貨委員会(ECON)に出席、ピル英中銀チーフエコノミストが欧州通貨金融フォーラム(SUERF)に出席、チュディン・スイス中銀理事、シュレーゲル・スイス中銀総裁などが講演を行う。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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