【これからの見通し】週末を控えて高市トレードの勢いは落ち着くか
【これからの見通し】週末を控えて高市トレードの勢いは落ち着くか
今週は円安とドル高の動きが鮮明になっている。特に、円安の動きが際立っている。いわゆる高市トレードによって、日銀利上げ観測が後退、日米金利差を背景とした円キャリー取引が市場を席捲している状況だ。
しかし、ドル円が先週末の147円台から本日の東京市場では153円台前半で取引されており、1週間足らずで5円超の上昇は相当急ピッチの動きだ。ここ一両日は153円付近での取引にとどまっており、一段の値動きの勢いはやや鈍ってきている。
東京市場は来週月曜日がスポーツの日のため休場となる。きょうは三連休を控えた短期筋のポジション調整圧力が働きやすい。まだ、具体的な動きはみられないものの、政府・日銀による円安けん制や実弾介入への思惑も高まりつつあるようだ。加藤財務相からもようやく「一方的な急激な動き見られる、ファンダメンタルズ反映し安定的推移が重要」といった定番の発言がみられている。
トランプ氏と高市氏との会談を月末にかけて控えている。急速な円安は日本輸出企業にとって有利、輸入企業にとって不利に働く。日米貿易収支の改善の面からも懸念される材料となろう。案外、高市氏自身から口先介入発言が出てくる可能性も否定的ないだろう。ただ、市場における日銀の早期利上げ観測の醸成にはかなりの紆余曲折が伴うだろう。海外投機筋による円キャリー取引をつぶせるのかどうか、まだ不透明だ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、メキシコ鉱工業生産指数(8月)、カナダ雇用統計(9月)、米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)(10月)などが予定されている。カナダ雇用統計は失業率が7.2%と前回の7.1%から悪化する見込み。雇用者数は5千人増と前回の6.55万人減からは伸びが回復する見込み。米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は54.0と前回の55.1から低下する予想になっている。
発言イベント関連では、エスクリバ・スペイン中銀総裁が会議に出席、グールズビー・シカゴ連銀総裁がイベントで開会挨拶、ムサレム・セントルイス連銀総裁が米経済および金融政策について講演を行う予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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