【本日の見通し】ドル高円安継続、週末前の調整には注意
【本日の見通し】ドル高円安継続、週末前の調整には注意
ドル円はNY朝方に高市新総裁発言を受けて急落の場面も切り返して高値をわずかに更新、その後も高値圏推移としっかりの展開が続いた。高市新総裁は行き過ぎた円安を誘発するつもりはないと発言し、一時円買いとなった。もっとも従来姿勢から大きく変化したものではないとの認識が広がり、切り返す展開となった。ロンドン朝に153円22銭まで上昇したドル円は、高市発言で152円10銭台まで下げるも、153円23銭とわずかながら高値を更新する動き。その後も153円00銭を挟んでの推移とドル高円安基調が継続している。
この後もしっかりした動きが見込まれる。今月の日銀金融政策決定会合での利上げ期待が後退している状況がドル高円安につながっている。高市新総裁に下での積極財政への期待もドル買い円売りに寄与。先週末からの上昇幅は5円を超え、6円に迫る展開となっており、さすがに過熱感があるが、押し目が限定的で、流れは継続と見られる。
もっとも週末を前にしたポジション整理の動きには注意。米予算をめぐる協議などが週末に進展もしくは対立激化などの可能性があるなど、政治的な状況の変化を警戒して保有ポジションを整理する動きが強まるようだと、いったんドル売りとなる可能性がある。
欧州通貨は昨日の市場で対ドル、対円で下げた。フランスの政局懸念などから売りがくすぶる中での推移となっていたユーロドルは1.1600をしっかり割り込んで、ストップロスを誘発して売りが強まった。1.1550割れまでユーロ安となっている。ポンドドルはユーロドルの下げもあり1.32台後半まで下げている。この後も戻りが鈍いとみられ、戻りでどこまで売りが出るかがポイントとなりそう。
ユーロ円はロンドン朝の177円94銭から176円78銭まで売りが出た。178円を付けきれず、上値一服感が出たところに、対ドルでのユーロ売りが入って大きく下げた。連日の史上最高値更新を受けて、過熱感がドル円以上に高まっていた面もあるとみられる。ポンド円は203円台前半まで一時下げた。水曜日の205円台に行き過ぎ感が出ていた。対ドルでの欧州通貨売りをにらみながらの展開が見込まれる。ユーロ円はごく短期的には177円台半ば前後が重くなるか。
MINKABUPRESS 山岡

執筆者 : MINKABU PRESS
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